犬猫にマイクロチップ、発がんリスクが指摘されていた! マウス実験で判明、死亡例も… 義務化の懸念とは?
今月1日から国内で販売される犬や猫へのマイクロチップ装着がペットショップなどに義務化された。迷子や災害時に離れ離れになった際、飼い主特定に役立つとともに殺処分を減らすことへの効果も期待されているという。しかし、装着をためらう飼い主は90%超という調査結果もあるなど、愛犬家・愛猫家にとってマイクロチップは非常に大きな問題だ。果たして本当に愛犬・愛猫の体への悪影響はないのか。実は日本よりも先にマイクロチップが普及した海外では、実際にペットの健康に深刻なリスクとなる可能性を指摘する声も上がっていた。今回は2019年6月の記事を再掲する。
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2019年6月12日、犬や猫に所有者の情報を記録したマイクロチップの装着を義務付けることなどを柱とする改正動物愛護法が参院本会議で全会一致で可決、成立した。改正法では販売業者にマイクロチップの装着と所有者情報の登録を義務付ける他、飼い主には装着の努力義務と情報変更の届出を義務付ける。マイクロチップの義務化は3年以内に始まる。
マイクロチップは直径約2mm、長さが約12mmの円筒形で、電子標識をガラスカプセルで包んだ小さな器具だ。獣医師に皮下に埋め込んでもらわなければならないが、一般的な皮下注射と変わらず、動物たちへの負担はほとんどないとされている。すでに迷子対策として自主的に埋め込んでいる飼い主は多いだろう。
海外の多くの国ではペットのマイクロチップ装着が義務化されている。マイクロチップはすでに世界中の多くの動物(人間含む)が装着しているが、そのほとんどで問題は起きておらず、毎月迷子になったたくさんのペットがマイクロチップのおかげで飼い主に再会しているという。しかし、メリットが強調される一方で、そのリスクを不安、危険視する声も根強い。とりわけ危惧されているのは、マイクロチップが動物のガンの原因になっているのではないかという問題である。
ペット情報サイト「The Spruce Pets」もこの問題について取り上げている。記事によれば、マイクロチップの埋め込みには怪我や感染症を起こす可能性がある他、装着した部位に腫瘍ができることがあるというのだ。しかし、記事ではその可能性は1%に満たず、リスクを上回るメリットがあるとしてマイクロチップの装着を勧めている。
だが、逆にマイクロチップに反対する人々もいる。犬の情報サイト「Dogs Naturally」では、英国小動物獣医協会(BSAVA)の研究を取り上げている。この研究によれば、マウス実験でマイクロチップに発ガン性があったことや、世界各地でマイクロチップを埋められた動物にガンが確認されているというのだ。また、マイクロチップ埋め込み手術でペットが死亡した事例や、マイクロチップで神経を傷つけられて障害が起きたケース、またマイクロチップが移動してしまった例もあるとし、その危険性を訴えている。
改正法の成立で、日本でもこの種の議論が活発になるのは間違いないだろう。幸いなことに、海外に多くの事例や研究が存在する。大切なペットを守るために飼い主に何ができるのか、ますます多くのことを学び、選んでいかなければならない時代が訪れている。
参考:「時事ドットコム」、「The Spruce Pets」、「Dogs Naturally」、ほか
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