CIAがフランスにLSDを空中散布して人体実験? 村民が次々死亡・不調… 未解決「呪われたパン」事件全貌!

※ こちらの記事は2018年12月20日の記事を再掲しています。

 1950年代、フランスの小さな町で数人が死亡、300人以上が被害を受けるという食中毒事件が起きた。原因はライ麦パンに混入した毒物だったのだが、その正体が何だったのかは未だに議論が分かれており、実はCIAの実験だったという説すら存在するのだ。

CIAがフランスにLSDを空中散布して人体実験? 村民が次々死亡・不調… 未解決「呪われたパン」事件全貌!の画像1画像は「Telegraph」より引用

■ポン=サン=テスプリの「呪われたパン」事件

 1951年8月16日、フランス南部オクシタニー地域圏、ガール県のポン=サン=テスプリという人口4500人ほどの小さな町で、住民の一部が病院に駆け込む事態が発生した。患者たちは寒気、腹痛、嘔吐といった症状を示しており、医師たちは集団食中毒を疑った。

 事態は深刻で、その日のうちに5人もの死者が出た。そして同月25日までの間に子供を含む300人以上が症状を訴え、数多くの患者が入院することとなった。

 この事件の被害者には、通常の食中毒とは異なる特殊な症状がいくつか出ていた。患者らは眩しさや恐ろしい幻覚が見えるといった症状も訴え、50人以上が精神病院に入院することになったのだ。

 英「Telegraph」の記事によると、ある住民は恐ろしい獣と燃えさかる炎の幻覚に苦しんだという。また別の男性は「お腹を蛇に食い破られる」と叫び、11歳の少年は祖母の首を締めようとし、またある人は「私は飛行機だ」と2階の窓から飛び降りて足を怪我した。

CIAがフランスにLSDを空中散布して人体実験? 村民が次々死亡・不調… 未解決「呪われたパン」事件全貌!の画像2画像は「Getty Images」より引用

■原因はライ麦パン?

 食中毒の原因はすぐに特定された。それは町のパン屋が製造・販売していたライ麦パンで、使っていた小麦粉の品質が悪かったため、麦角(ばっかく)中毒が起きたのではないかというのである。

 小麦やライ麦の穂が麦角菌に感染すると、俗に「悪魔のツメ」とも形容される黒い菌核(麦角)が現れる。麦角には麦角アルカロイドと呼ばれる毒性物質が含まれており、小麦粉に混じって人間が摂取してしまった場合、循環器系や神経系に様々な症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもある。現代では製粉段階で除去されて食中毒を引き起こすことはまずないとされているが、中世ヨーロッパでは幾度となく中毒事件を引き起こしている。

 事件の調査によって、「呪われたパン」の原因は麦角の混入であることが強く疑われた。この他にも、穀物を保存する際に使われた殺菌剤に含まれた水銀が原因という説、保存中に発生したカビによるマイコトキシンが原因という説、さらには小麦粉の漂白に使われた違法物質に含まれる三塩化窒素原因説も浮上したが、はっきりとした原因は今でもよくわかっていない。

 だが2009年、アメリカのジャーナリストH・P・アルバレリ・ジュニア氏が新たな説を提唱した。それはCIAがパンにLSDを混入、あるいはポン=サン=テスプリに空中散布したというものである。

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