ネオナチの象徴「黒い太陽」に秘められた本当の意味とは? 今こそ知るべきヒーゼニズムとグレート・リプレイスメントの闇
ナチスの指導者、アドルフ・ヒトラーは宗教に傾倒していなかったが、側近の何人かは北欧神話を起源とするオカルトを受け入れた。その背景には、ナチスの極端な反ユダヤ主義があった。イエスがユダヤ人であり、キリスト教がユダヤ教から誕生したという事実を一部のナチス党員は受け入れられず、キリスト教に代わる宗教として北欧神話に着目して「真の信仰」を作り上げた。この信仰では、人々と国は神秘的な力によって土地と結びついているため、「部外者」を排除する必要があるとされた。ルーン文字や北欧神話に加えて、黒い太陽が崇拝の対象となったのもこのときである。
米国のヒーゼンは、先住民以外のすべての人々が北米大陸に移住もしくは連れてこられたにもかかわらず、自分たちの住む土地を白人に「属している」と見なすようになった。ナチスと同様に、土地は人々(ここでは白人)と神秘的な力によって結びついていると主張する。
ジェンドロン容疑者は自らの宗教性を否定している。しかし、ネット上で公開した文書は「ヴァルハラ(北欧神話に登場するオーディンの宮殿で、戦死者の魂が集まる場所)で会おう」というフレーズで締め括られており、グレート・リプレイスメントへの言及もあることから、ジェンドロン容疑者はヒーゼンの思想に傾倒していたと考えられる。
ナチスが生み出した白人至上主義の信仰は、政治的な思想や歴史の曲解と結び付いて、バリエーションを増やしながら現代も多くの人々を魅了し続ける。銃乱射事件の背景に目を向けることが悲劇を繰り返さないためにも必要である。
参考:「The Conversation」、「The Washington Post」、「BBC」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ネオナチの象徴「黒い太陽」に秘められた本当の意味とは? 今こそ知るべきヒーゼニズムとグレート・リプレイスメントの闇のページです。ナチス、陰謀論、銃乱射事件、ハインリヒ・ヒムラー、黒い太陽などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで