【未解決】50年前の美少女惨殺事件、冤罪認定で囁かれるヤバすぎる真犯人とは?=英
イングランド・タムワースで1972年6月7日、当時14歳の女子中学生、ジュディス・ロバーツの遺体が発見された。遺体は畑の中にあり、生け垣の一部とビニールの肥料袋、石綿板によって隠されていた。検死の結果、暴行を受けて殺害されたと結論付けられた。ジュディスは同日、両親とけんかして午後5時30分頃に自宅を出た後、自転車で大通りを走り去ったまま帰ってこなかったという。
警察は1万5千を超える指紋を採取し、1万1千件の訪問調査を行って証言を集めた。さらに4千件を超える情報が寄せられたにもかかわらず、犯人の手がかりは不明だった。
同年10月、リッチフィールドに駐屯していた男性兵士、アンドリュー・エバンス(当時17)が地元の警察署に「ジュディスの写真を見たい」と言って出頭し、3日間の尋問を経て殺害を自白した。エバンスは供述書に署名後、殺人罪で起訴された。
しかし、エバンスは当時うつ病に苦しんでおり、誤った記憶にもとづいてジュディス殺害を自白していた。実際、事件に関する自白以外の証拠は何も見つからなかった。後にエバンスは自白を撤回したが、1973年の陪審員裁判で有罪とされ、終身刑を宣告された。
1994年、メディアがジュディス殺害事件を再び報じたことで、刑務所に20年間に収監されていたエバンスに再び注目が集まった。彼は人権団体「ジャスティス」に手紙で支援を求め、弁護士ケイト・アケスターの協力も得て、上訴する権利を勝ち取った。
1997年、控訴裁判所の公聴会では、1972年にエバンスがうつ病のために処方された薬を服用していたという情報が明かされた。裁判官が当時の警察の捜査方法に批判的だったことに加え、ジュディスの血がエバンスの周辺で見つからなかったこと、ジュディスの自転車にはエバンスの指紋が無かったことも確認された。そして、エバンスの有罪判決を破棄するとともに直ちに解放する決定を下した。
2000年、エバンスは内務省から75万ポンド(約1億2500万円)を受け取り、合計で約100万ポンド(約1億6600万円)の補償を受けた。エバンスは釈放時に次のように語った。
「過去2年半の間、私たちはこのために戦ってきました。そしてついに勝ち取ることができました。今はホッとしています。しかし、私が完全に自由になることは決してないでしょう。ドアを閉めるときはいつでも、刑務所にいたときのことがフラッシュバックします」
では、ジュディス殺害事件の真犯人は誰なのか? 警察は半世紀にわたり捜し続けているが、手がかりを掴めていない。一方で、さまざまな憶測が飛び交っている。中でも真実味を帯びているのは、「ヨークシャー・リッパー」として有名な連続殺人犯、ピーター・サトクリフによる犯行の可能性である。
ピーター・サトクリフは1975年7月から5年間、街頭で客引きをしていた売春婦を中心に襲撃を繰り返し、13人を殺害、7人に重軽傷を負わせた。被害者をハンマーで殴打した後、ナイフで切りつけたり、ドライバーで刺したりするのが手口だった。逮捕されたサトクリフは1981年5月に終身刑を宣告されて収監された後、精神病院へ移された。2020年に新型コロナウイルスに感染し、同年11月に死亡している。
実はジュディス殺害事件の日、犯行現場近くでサトクリフに似た男が目撃されていた。黒い巻き毛と長いもみあげが特徴的な男がジュディスと話していたという。他にも、その男の服装は、サトクリフが犯罪を行うときに着用していたものと同じ作業服と長靴だったという証言もある。ジュディスは鈍器で殴打されて死亡したが、この鈍器はサトクリフのハンマーを連想させた。
当時の警察は、1970年代にサトクリフが頻繁に足を運んでいたヨークシャーの地域も捜査の対象としていた。しかし、エバンスの身柄を拘束した後、サトクリフとジュディス殺害事件の関連性を探ることを止めてしまったのだ。
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