究極の陰謀書「聖書外典・偽典」がヤバすぎる! 少年イエスが殺人を… 隠蔽された不都合な真実か?
あまり知られていないことだが、聖書には規範から逸脱したものと見なされて除外されたテキスト、いわゆる「外典(Apocrypha)」がある。相当数が存在するこれらの聖書外典(Biblical Apocrypha)には、どのような記述が含まれ、それを我々はどうとらえればよいのだろうか。
■認められないテキストの数々
出版の世界において他の追随を許さない史上最大のベストセラーが聖書だ。
キリスト教徒とイスラム教の聖典である聖書だが、実はその一部であるのか、判断が分かれるテキストも少なくない。聖書に含めるかどうかの扱いは各宗派によって異なっているが、カトリックではそれらの外典を旧約聖書に含める傾向があり、現代のプロテスタントは外典を完全に排除する傾向にあるといわれている。
そして一括りに聖書外典といっても、詳しく見るといくつかのバリエーションに分類される。
「原正典(Protocanonical、プロトカノニカル)」と呼ばれている外典は、ヘブライ語聖書(タナハ)に含まれ、きわめて初期のキリスト教徒たち(正統派キリスト教徒の前身)によって正典であると見なされていた。
「第二正典(Deuterocanonical、ドゥーテロウカノニカル)」は、カトリック教会、東方正教会、東方正教会、およびその他少数の正教会によって旧約聖書の正統なテキストと見なされている。しかし、プロテスタントは、これらのテキストを外典と見なして否定している。
さらに歴史を紐解けば、外典を数多く含んだ聖書の“別バーション”も登場している。
『グーテンベルク聖書』は15世紀のドイツの活版印刷術の創始者、ヨハネス・グーテンベルクによって印刷されたラテン語訳聖書(ウルガタ)で、『42行聖書』(1456頃)や『36行聖書』(57頃)がある。この『グーテンベルク聖書』には多くの外典が含まれていた。
また、ローマ教皇から破門されたプロテスタントの始祖、マルティン・ルターが1534年に聖書のドイツ語訳である『ルター聖書(Lutherbibel)』を発表したが、外典をセクションとして含めた。彼が新約聖書の信憑性に疑問を持っていたことも背景にあった。
1611年の『欽定訳聖書(King James Bible、ジェイムズ王訳)』は、ルターの足跡をたどり、外典のセクションを追加した。そして今日、一般的に外典といわれているテキストは、この欽定訳聖書の外典セクションにリストされているものを指す。
こうした別バージョンの聖書のほかに、紀元前1世紀から紀元1世紀の間に書かれ、旧約聖書の正典はおろか外典にも含まれないユダヤ教・キリスト教の文書の一群、即ち「偽典(Pseudepigrapha、プセウデピグラファ)」と呼ばれるテキストも存在する。
■強烈すぎる外典・偽典の内容とは?
では、具体的に外典・偽典にはどのような記述があるのか? たとえば『トマスによる福音書』という偽典には、イエスの知られざる少年時代の姿が描写されているのだが、そこでのイエスは甘やかされて精神に異常をきたした手に負えない子供として登場する。そして神から授かった力を悪用し、家庭教師を拷問したり、気に入らない子供を呪い殺すという暴挙に及んでいるという。そんなイエスが、自らの能力をコントロールすることを学び、少しずつ今日の我々がよく知る(正典の)「慈しみ深きイエス」へと成長していく様子が語られる。まるでアメコミに登場するスーパーヴィランかと見まごうようなエピソードが展開されているのだ。
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