宇宙の大きさは直径920億光年の球体ではない? 観測不能な範囲も含めると…
宇宙はどれほど大きいのか。果てしない無限の空間が広がっているのだろうか。専門家が宇宙の広さについて現時点でわかっていることをまとめている。
■観測可能な宇宙は直径920億光年
天文ファン期待のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が“実戦投入”されて早くも2カ月以上が経つ。すでに数々の成果が報告されているが、この先も新たな発見が続いていけばそのうちに宇宙の全貌が明らかになる日が来るのだろうか。

しかし話はそう簡単にはいかないようだ。米メディア「Big Think」の記事では、宇宙の大きさについて現在わかっていることとわかっていないことをまとめて解説している。
まず最初に明確にしておかなければならないのは、ビッグバン理論における宇宙のはじまりは約140億年前に起こったことである。
もう1つは、はるか彼方にある恒星が放つ光は光速で進み地球上にいる我々の目に届いているという事実だ。
この2つのことから、もしこの宇宙が動きのない静的な世界であるとすれば、我々が確認できる宇宙は地球を中心とした球体で、その半径は140億光年ということになる。もちろん地球が宇宙の中心にあるというのは不自然な考えであり、宇宙はさらに大きいのかもしれないが、我々には確認のしようがないのだ。
この仮説は宇宙が成長を終えた静寂の世界であると仮定してのモデルである。しかし同じくビッグバン理論では、ビッグバン以降も宇宙は膨張を続けていることから、宇宙の果てはどんどん遠ざかっていることになる。
つまりビッグバンの時点で140億光年離れていた星は、地球からその光は確認できるものの、現在位置はさらに遠くにあることになるのだ。
天文学者の計算によれば、地球にとって宇宙の果てである140億光年先の天体は現在、460億光年離れている。とすれば我々が観測できる宇宙は直径が920億光年の球体ということになる。実に途方もない広さだ。

■実際の宇宙は観測可能な宇宙の500倍以上か
ここまでは我々が観測できる宇宙の大きさについての話である。おそらく実際の宇宙はそれよりも大きいと考えられているが、それがいったいどのくらいの大きさになるのか、推測のための手がかりになるものはあるのだろうか。
天文学者によれば、この宇宙全体を2次元であると仮定することで宇宙の大きさを推測する手がかりが得られるという。
2次元のイメージは机のように真っ平な平面であるが、それは海苔巻きの海苔の部分のようにリング状になることもできるし、丸い帽子(ハット)の形状をとることもできる。また2次元でありながらも、例えばガチャガチャの景品が入ったカプセルやピンポン玉のように中空の球体になることもできる。
見た目上の球体であれば、たとえば超高速の宇宙船で真っすぐ直線を進んだ場合、地球の赤道に沿って飛行する飛行機と同じく、再びスタート地点に戻ることができる。

天文学者はデータを分析し、宇宙は平坦であるか、ほぼ平坦であると結論づけた。しかし測定には不確実性があり、宇宙の曲率が非常に小さい可能性は残っている。もしも2次元の宇宙がピンポン玉のような中空の球体であった場合、「宇宙の赤道」に相当するものは観測可能な宇宙よりも少なくとも500倍は大きくなるということだ。
直径が920億光年の球体の500倍以上の広さが2次元で広がっているとすればとてつもない広さである。目に見える宇宙でさえ信じられないほど大きいというのに、宇宙全体はそれよりもはるかに巨大であることになる。したがって宇宙全体は限りなく果てしない、無限に近い世界であると考えておいてあながち間違いではなさそうだ。
参考:「Big Think」ほか
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