沖縄県の「野良猫捕獲計画」が“残酷”である理由とは? 殺処分激増の恐れ、取材で判明した杜撰な実態
玉城デニー知事は2018年の知事選で「犬猫殺処分の『ゼロ』から『廃止』へと目指し、命が尊重される動物愛護の政策に取り組みます」と掲げていたが、いったいどういうことか。
玉城知事と親しい政治活動家X氏に筆者が取材したところ、こんな返答があった。「玉城デニーの反対勢力が強いので、玉城はすべて自分がやりたい政策を実現できる訳ではない。優先順位が低い政策に関しては深く関わらず判子を押すだけなのだろう」(X氏)。
このことを確かめるため、筆者は玉城デニー事務所に問い合わせた。すると、「沖縄県環境部自然保護課に問い合わせるように」とだけ回答され、インタビューに応じなかった。
次に沖縄県環境部自然保護課に筆者が電話インタビューしたが、担当者の回答は曖昧だった。
――計画案は変更の可能性はあるのか?
担当者 まだ計画案の時点でさまざまな意見を査収し会議をします。
――では、ヤンバル地域の猫の捕獲に関して、中止すべきという意見があれば、変更するのか?
担当者 どんな意見かにもよります。個人的な見解では回答できません。
――意見が反映されない可能性があるなら、何のためのパブコメなのか?
担当者 さまざまな意見を収集しようと思って。
――統計上、ヤンバルクイナが減っていないなら、何のために野良猫を捕獲するのか?
担当者 稀少動物なので、今後また減る可能性があります。
――ヤンバルクイナも猫も同じ「命」なのに、里親が見つからない場合、猫を殺処分するのか?
担当者 里親を見つけるのが前提です。
――しかし、里親探しのボランティア団体の人手はいっぱいいっぱいの状況。補助金を増やしボランティアを増やす予定はあるのか?
担当者 補助金は……。ヤンバル以外の地域ボランティアともタイアップすればよいでしょう。
――それは具体的な計画としてあるのか?
担当者 そのような方法も考えられる、ということです。
具体策はなく、行き当たりばったりで回答しているのだろうか。この曖昧なやり取りについて、玉城デニー事務所に再度報告したが、 「不誠実な対応をされたというクレームがあったことはお伝えします」と対応されただけで、 計画案の内容に関して「問い合わせ先は沖縄県環境部自然保護課なので私達は回答できません」と、役人に“丸投げ”という始末。
いずれにしても、“行き当たりばったり”の非現実なで矛盾に満ちた計画案という印象は拭えなかった。このままの計画案では多くの命を見殺しにすることになりかねない。極端な計画はすぐさま見直し、命を大切にした現実的な計画に変更すべきではないだろうか。
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2024.10.02 20:00心霊沖縄県の「野良猫捕獲計画」が“残酷”である理由とは? 殺処分激増の恐れ、取材で判明した杜撰な実態のページです。殺処分、野良猫、沖縄県などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで