4大宗教の「食の規定」とカニバリズムの関係とは? アステカの神々が人肉を求める驚きの理由
人類の3大本能は、食欲、睡眠欲、性欲である。しかし「目に見えないもの」に関する本能がある。それが愛や信仰心、いわば精神的・宗教的な本能だ。世界にはさまざまな宗教があるが、4大勢力は人口の順にキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、無宗教だといわれる。
では、これらの宗教と人間の本能「食欲」は、どのように関わっているのか。それぞれの宗教における食事規定について考えてみたい。
キリスト教の食事規定
世界最大の人口を従えるキリスト教は、驚くほどに食物規定が存在しない。そもそもミサ/礼拝のたびにワインを嗜む宗教である。特別な祝祭日を除いては、断食の期間や禁止の規定はみられない。肉も魚もピザも酒も食べ飲み放題である。一方プロテスタントの一部が飲酒を禁止、またアメリカで誕生した分派モルモン教がカフェイン入り飲料を禁止している。
ユダヤ教の食事規定
キリスト教とイスラム教の兄貴分にあたるユダヤ教にも禁止食物がある。それを「コーシャー」という。では、何が禁止されているのか。
鳥肉でいえば、猛禽類の多くが禁止されているので、フクロウは不浄だから食べられない。草食動物でいくと、ヒヅメが2つに割れて反芻する動物は食べてもよい。つまり牛肉、鹿のジビエ、ラム肉はよい。しかしウマ、豚、ウサギなどは禁止対象だ。調理の方法も特別な屠殺の手順があり、通常キッチンとは分離した別の調理場を用意しなくてはならない。
乳製品と肉を同時に食べることも忌避される。熱心なユダヤ教徒はチーズバーガーを食べられないし、親子の肉を混ぜて食べることも禁じられているので、親子丼はNGである。ただし魚については鱗とヒレが両方あるものは食用可である。サーモン、まぐろは食べられるが、蟹、えび、ナマコは食べられない。飲酒もコーシャーならOKだ。断食は特別な祝祭日に行う。
イスラム教の食事規定
ではイスラム教ではどうだろう。最近では「ハラール」とよく聞くようになった。「ハラール」とは、特別な屠殺法や調理の仕方に関する宗教規定である。イスラム教徒の少ない日本でも海外からの旅行客増加によって、ムスリムでも入店し楽しめることを示すために「ハラール認証」という言葉も聞かれるようになった。いまや常識だが、ムスリムにとって豚肉は禁じられたケガレなので食べることができない。それゆえ料理器具も分けなくてはならない。当然、かつ丼、とんこつ背脂ラーメンも禁止対象だ。日本人には悲しく聞こえるが、それこそが聖なるものを掲げる食文化であり、多様性の象徴である。ちなみに「ハラール」であるか否かは、そもそもアラーのみが決められることなので、誰かに認証されるのは奇妙な話である。
イスラム教においては宗派によっては違いがあるが、多くの場合、魚・乳製品は食べてよい。しかし飲酒は禁止されている。また断食「ラマダン」は有名だが、これも病人や旅人には免除が許されている。
ヒンドゥー教の食事規定
ではヒンドゥー教ではどうか。牛が聖なる動物だから、当然、牛肉はNGである。では魚や卵はどうか。これらも禁止である。さすが仏教の親ともいえる宗教だ。殺生を禁ずる展から徹底しているし、宗教的ヴィーガニズムの元祖ともいえる。ちなみに乳製品と飲酒は問題なく、断食は宗派によって習慣と規定がある。
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2024.10.02 20:00心霊4大宗教の「食の規定」とカニバリズムの関係とは? アステカの神々が人肉を求める驚きの理由のページです。ユダヤ教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教、カニバリズムなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで