宇宙人が地球人にコンタクトしていた? AIが「謎のシグナル8種」を新発見

 この広大な宇宙の中で技術文明の痕跡“テクノシグネチャ”をどうやって探せばよいのか。干し草の山から針を探すようなこの作業に真正面から取り組む画期的なAI(人工知能)が開発されたという。

AIが8つの“テクノシグネチャ”有力候補を発見

「我々はこの宇宙で一人ぼっちなのか?」 ――このシンプル過ぎる問いに科学者たちは長年取り組んできたがいまだにその答えは出ていない。

 カナダ・トロント大学をはじめとする合同研究チームが2023年1月に「Nature Astronomy」で発表した研究では、新たに開発した機械学習アルゴリズム(AI)を使って、無線信号のビッグデータからエイリアン文明のテクノシグネチャの可能性がある8つの無線信号を特定したことを報告している。

 地球外の人工的な電波および光信号を探索するため、2016年からはじまった電波観測および可視光観測を行うプロジェクトが「ブレイクスルー・リッスン(Breakthrough Listen)」だが、その取り組みは困難を極めている。

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画像は「Getty Images」より

 電波による地球外知的生命体探査は「干し草の山から針を探すようなもの」であると研究者たちも認めている。「針」とは地球外知的生命体のテクノシグネチャとなる信号で、「干し草の山」は人類の文明活動に由来する信号である。今日の人類文明はさまざまな周波数帯の電波を活用しているため、観測データには人類由来の信号が大量に含まれる。

「宇宙のエキサイティングな無線信号と、地球からの凡庸な無線信号を区別する必要がある」ため、研究チームは、地球上のすべてのバックグラウンドノイズから潜在的なテクノシグネチャをより適切に抽出できる新しい機械学習アルゴリズムを開発した。

 そのアルゴリズムにウェストバージニア州グリーンバンクにある「ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡」で収集された電波データを読み込ませたところ、テクノシグネチャの可能性のある8つの無線信号が特定された。どれも過去の分析では見落とされていたものだ。

 この8つの信号は、地球から30光年から90光年離れた820個の星の集合から届いたもので、5つの方向から発信されているという。地球外文明のテクノシグネチャであるとは証明されていないものの、興味深い信号であることに違いはない。

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画像は「Pixabay」より

われわれはこの宇宙で一人ぼっちなのか?

 最終的にはこのアルゴリズムが「われわれはこの宇宙で一人ぼっちなのか?」という問いに対する答えを見つけ出す取り組みの一助になる、と研究チームは考えている。

 今後8つの信号をより綿密に研究し、それらが実際に深宇宙から発信されたものか見極め、追加観測で再度検出する作業が残されているとのこと。

 将来的にこのアルゴリズムは地球外文明の発見へ繋がるものであり、テクノシグネチャの科学的探索に変革をもたらす、と研究チームは確信している。

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画像は「Pixabay」より

 今後は、探索範囲を100万個の星にまで拡大し、南アフリカの「MeerKAT電波望遠鏡」などによって収集されたデータに同じアルゴリズムを適用する予定とのこと。

 広い宇宙でわれわれと同じような技術を持つ文明が見つかる日は近いのか。いずれにしろ、干し草の山から針を見つける作業に、AIという頼もしく強力な助っ人があらわれたことは心強い限りだ。

参考:「Daily Mail」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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