ウンコは最強の宇宙食? NASAは人間の排泄物を食品に変える研究をしている!?
今夜19時からの『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)では、福井県にある名門水産高校が、昨今、世界各国の大企業がその技術を結集して研究を進めている「宇宙食」の開発に成功したという実話を取り上げる。
過去にTOCANAでは、長期間の宇宙旅行をより容易に、かつ快適にするべく、人間の排泄物を食品に変えるためのプロジェクトが進行中であると報じた。掲載時点では、すでに尿を飲料水に変換する技術が普及していたというから驚きだ。人糞を肥料として再利用することはあるようだが、そのものを食品に変えるという話は聞かないことから、続報が気になるところである。2015年9月の記事を再掲する。
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※ こちらの記事は2015年9月11日の記事を再掲しています。
将来の人類が体験することになる火星へ向けた宇宙旅行は、一体どんなものになるのだろうか。地球から火星まで、一説には片道8カ月の旅ともいわれているが、長い旅において決してないがしろにできない宇宙船内での“食”に関して、さまざまな研究が行なわれている。
人間の排泄物を再利用して食品に!?
人類の火星移住に向けて本格的な取り組みを行なっているNASA(アメリカ航空宇宙局)は、現在、宇宙船や火星上で活用できる技術を開発するため、研究機関への助成を幅広く行なっている。火星上での建築に関する研究や、より優れた太陽電池の開発など、8つの重点的な研究のなかの1つに、なんと人間の排泄物を食品に変える技術開発も含まれているというから驚きだ。つまりウンコを食べる技術の開発である。この研究を任され助成金を受けているのが、サウスカロライナ州のクレムゾン大学の研究チームだ。
合成生物学者のマーク・ブレンナー氏が率いる研究チームは、目下、人間の排泄物を合成食品や機能性食品、または利用可能な素材にするリサイクルシステムの構築を研究中だ。このシステムによって、長期間の宇宙旅行がより容易かつ快適なものになるということだ。確かに排泄物をリサイクルできれば、予め積み込む物資が少なくて済むため好都合だ。
もちろん、人間の大便にはアンモニアなどの毒素が含まれているが、投与した微生物にLEDの照明を当てることで分解・無毒化し、カロリーメイトのような機能性食品の食材として効率的に利用することが考えられているようだ。この研究にはNASAから研究助成金として年間20万ドル(約2,400万円)が最大で3年間与えられている。このリサイクルシステムがどのように運(うん!?)用されるのか、実に興味深い。
すでにオシッコはすべてリサイクルして飲料水に
日本人宇宙飛行士・油井亀美也さんが現在滞在中のISS(国際宇宙ステーション)だが、ここではすでにオシッコを蒸留して飲料水として再利用している。ISSでは水がとても貴重なものであることは言うまでもない。汗になって衣服に吸収されるなどして水の総量は徐々に減るものの、再利用しながら大切に使うことで宇宙飛行士1人あたり1年間70リットル程度の水でまかなえるといわれている。油井さんとともに現在ISSに滞在しているアメリカ人宇宙飛行士のスコット・ケリー氏は、1年間もの長期にわたり滞在することから、蒸留された尿を合計で730リットル飲むことになると試算され、別の意味で(!?)話題になっている。
先の8月19日に種子島宇宙センターから打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機だが、積まれた補給物資の中には600リットルもの水が含まれていた。これまで一度に補給した水の量としては最大だということだ。
また、最近ではISS内で栽培したレタスが実際に宇宙飛行士たちの食卓にあがったり、宇宙専用のエスプレッソマシンで煎れたエスプレッソコーヒーを地球を眺めながら賞味できたりと、ISS内の“食事情”もいろいろ変化を見せている。火星旅行が実現した未来に、宇宙船ではどんな“機内食”が提供されるのだろうか。
参考:「Mirror」「Science Alert」、ほか
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