宇宙から落とした卵は割れるor割れない? NASA技術者が壮大な実験を敢行

宇宙から落とした卵は割れるor割れない? NASA技術者が壮大な実験を敢行の画像1
画像は「Daily Star」より

 割れやすいものといえばガラスや卵が連想されるだろうか。昨年、NASA(アメリカ航空宇宙局)の元エンジニアが「卵」を宇宙空間に打ち上げるという実験を行った。

 この実験を行ったマーク・ロバー氏はNASAで9年間エンジニアを務めた人物であり、うち7年間は現在火星で稼働中のキュリオシティ探査機の開発に携わっていた経歴を持っている。そんな彼は過去に学校で「高いビルから卵を落として割れないようにする方法」を探す実験をしたことがあったそう。この実験を思い出した彼は、「宇宙から地球へ卵を割らずに落とす」ことは可能なのか、実験を行うことにしたのだ。

 当初は気球で地球の大気圏外へ卵を送り、音速で落下していく卵をマットレスの上へ送る自律型誘導ミサイルに近い構造を作ろうと考えていたそう。しかし、実際に設計していくと現実的ではないことがわかってきた。たとえば卵は高高度に送られたことで低温で凍る可能性があるため、ミサイルのノーズコーンに内蔵された小さなヒーターで凍らないように温め続けなければならないことがわかった。

宇宙から落とした卵は割れるor割れない? NASA技術者が壮大な実験を敢行の画像2
画像は「Daily Star」より

 しかし、ロバー氏と彼のチームは、「誘導ミサイル」方式がうまくいかなかったときのために、バックアップ用の卵保護装置を作ってまで「宇宙へ卵を打ち上げ、地上に落とす」ミッションに挑んだ。実に4回の失敗と3年という長い年月を経て、ロバー氏は卵を地球の大気圏外に送り出すことができた。気球が最高高度に達するまで2時間かかり、最後の最後の6000メートル上空で気球からヘリウムが漏れ出すというハプニングがあったものの、卵は予備も含めてヒビ一つ入ることなく、無事にカリフォルニアの砂漠に帰還したという。

 ちなみにロバー氏は次は「火星から卵を帰還させる」ことを計画中だという。火星に卵を送ることも含めてどのような結果になるのか、彼の挑戦から目が離せない。

参考:「Daily Star」ほか

【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

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文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

ミステリーニュースステーションATLAS編集部員
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