小指に「余分な関節」が存在する人がいる? 発生確率1%以下の超レアケース
手の指に関節があるおかげでコップをしっかり持てたり、素早くタッチタイピングできたりするわけだが、この広い世の中にはごくまれに小指の関節を1つ余分に持つ人がいるというウワサがあるのだが――。
きわめてレアケースの「余分な指節間の横皺」とは?
手相を見るのが趣味という人ならともかく、他人の手のひらをじっくり見るという機会はあまりないと思うが、ごくまれに小指の関節皺が1つ多い人がいるという。
ネット上の巨大掲示板「Reddit」に投稿された1枚の写真は、小指に3つの関節皺のある手を写していて話題だ。確かに右手の小指の付け根から少し上に皺が横に走っている。しかしこの皺は正確には関節皺ではないという。

これは「余分な指節間の横皺(extra interphalangeal transverse creases)」と呼ばれているもので、きわめてまれな身体にあらわれる現象である。医学的にあまりよくわかっていない現象なのだが、間違えないでほしいのはこの皺の下に関節があるわけではなく、単なる横に伸びた皺であることだ。
「余分な指節間の横皺」はもっぱら小指で発生するが、さらに輪をかけてまれなことではあるがほかの指にできることもあるという。
1978年に日本の科学者らが551人からデータを収集し、それらの人たちの1102本の小指のうち、この余分な皺があるのは6本であったことが報告されている。つまり発生確率は0.54%だ。
男性のケースでは「Reddit」の投稿写真のように全員がどちらかの手の小指にあったのだが、興味深いことに女性のケースでは両手の小指にあらわれている例もあったという。
この調査とは別にインドで約307人のみを対象とした研究では、この現象は女性よりも男性でより一般的であることが示唆されている。ただし明らかに小規模な研究にすぎないため、詳しい実態はまだわかっていない。
またなぜこのような現象があらわれるのか、ほかの症例と関係するものがあるのかどうかなどもよくわかっていない。
遺伝的な要素が大きいとは考えられているのだが、それ以上関心を持つ科学者はほとんどいない。なぜなら医学にとって特に有益または興味深い問題とは思えないからだ。しかも当人にとって見た目がやや不気味である以外に手の動きには何の不都合もない。

法医学の分野で役立つ可能性
それでも、法医学の分野で多少は役立つ可能性はある。
「余分な指節間の横皺」は非常に珍しい特徴なので、何かに関与した人物を特定するのに役立てられる可能性がある。
たとえば犯罪の加害者の手形に余分なシワがあれば、理論的には容疑者のリストを絞り込むのは簡単になる。肉体の傷跡、ほくろ、タトゥーと同様に、犠牲者や行方不明者の特定に役立つ身体的特徴として利用できる可能性がある。
もしもあなたに「余分な指節間の横皺」があった場合、ほかの人物よりも早く身元が特定されやすいことを念頭に置き、くれぐれも邪な企て(!?)など考えないようにしたほうがよさそうだ。
参考:「LAD Bible」「IFL Science」ほか
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