6月は巨大地震が最も多い! 梅雨と地震の関係とは? この時期に地震が起こりやすいエリアも紹介

 6月4日午前11時ごろに千葉県北西部を震源地とするマグニチュード4.6の地震が発生した。先月26日には千葉県北東沖を震源とするマグニチュード6.2の地震同月11日には千葉県東方沖を震源とするマグニチュード6.2の地震など、ここ最近関東を中心とした有感地震がいくつも起こっているが、実は過去の統計によると6月は日本において最も大地震が発生している月だという。今月はいつにもまして巨大地震の発生に注意した方が良いかもしれない。以下、地震研究家・百瀬直也氏の過去記事を再掲する。

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※ こちらの記事は2021年5月30日の記事を再掲しています。

「雨の日には地震が少ない」と経験則的に語られることがもあるが、確かに大地震の発生時に雨が降っていたという例は非常に少ないようだ。だとすれば、雨の多い6~7月頃には大地震が特に少ないのではないか? ということで過去に日本で起きた大地震を月別に集計してみたところ、結果は真逆。なんと6月に最も多く起きている恐ろしい事実がわかった。その理由について考えてみたい。

大地震の月別発生数

 過去の記事で、日本において大地震が多発する季節は地域によって異なることを、データとともに解説した。そして1900~2017年に日本と同緯度の地域で起きたM6.5以上の地震を集計したところ、グラフのように3月がダントツで多い結果となった。

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 だが、同期間の地震でM7.0以上の規模に絞って集計すると、下記のグラフのように11月、3月、8月の順に多い結果となり、これらの月では大きな差はなかった。

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 だが、上記は日本と同緯度の地域におけるデータである。そこで今回、過去に日本で起きた大地震のみを抽出して集計したところ、意外な結果が得られた。まず、気象庁の震度データベースにある1919~2020年に起きたM6.5以上の地震を月別に集計してみると、下のグラフのように3月がダントツで多いのだ。

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 それでは、M7.0以上の大規模な地震だけを集計するとどうなるか? そこで、今度は対象とする時期を広げて、1026~2020年に起きたM7.0以上の地震を集計した。すると、下のグラフのように6月が25件と最も多く、次いで3月と11月の各21件となった。

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 通常、6月は北海道を除いて梅雨の時期であり、これは意外な結果であろう。というのも、「地震雲」研究の先駆者である鍵田忠三郎氏(元奈良市長)の説によると、地震と雨の発生原因は同じなので、雨の日には地震が少ないというのだ。それが事実とすれば、梅雨の時期である6~7月は大地震が少ないはずなのだが、実際は6月が最も多かったのだ。

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画像は「Getty Images」より引用

過去の“6月の大地震”

 では、日本で6月に起きた大地震は、どの地域で起きていたのだろうか。以下に、1900年以降の6月に起きたM7.0以上の地震を示す。なお、余震は除外する。

・1905年6月2日:芸予地震、M7.2、死者11人。
・1911年6月15日:喜界島地震、M8.0、死者12人。
・1926年6月29日:沖縄本島北西沖、M7.0、最大震度4。
・1933年6月19日:宮城県沖、M7.1、最大震度4。
・1938年6月10日:宮古島北西沖、M7.2、最大震度4、津波。
・1943年6月13日:青森県東方沖、M7.1、最大震度4。
・1948年6月28日:福井地震、M7.1、最大震度6。
・1964年6月16日:新潟地震、M7.5、死者26人、最大震度5。梅雨入り前。
・1973年6月17日:根室半島沖地震、M7.4、最大震度5、津波地震。
・1978年6月12日:宮城県沖地震、M7.4、最大震度5、死者28人、津波。
・2008年6月14日:岩手・宮城内陸地震、M7.2、最大震度6強、山崩れや地滑りが多発、死者・行方不明者23人。

 このうち、内陸が震源となった地震は11件中3件のみで、やはりM7クラス以上の大地震が内陸で起きるケースは少ないといえる。また、11件のうち4件が東北だが、それ以外に顕著な傾向は見られないようだ。

地域別に集計すると

 6月に大地震が多いことはわかったが、その理由はいったい何なのか。そこで、次に6月の地震をエリア別に集計してみた。以前から研究に使用している、元気象庁・岡田正実氏による地域区分を、さらに筆者が一部を細分化したマップを基準に集計すると、以下のようになる。

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K:千島域  :3回
A:親潮域  :6回 →1位
B:黒潮域  :5回 →2位
H:北海道内陸:0回
S:本土北部 :1回
I:本土南部 :3回
N:日本海  :4回 →3位
O:沖縄   :3回

 このように、エリア別で見ると「親潮域」「黒潮域」「日本海」の順に多く、その大部分は海上である。では、これをどう説明すればよいのだろうか。前述の鍵田説では、雨の日には地震が起きないということで、この説に従えば梅雨時は大地震が少なくなるはずだ。だが、その理由について鍵田説は「雨による調和作用」で地中のひずみが解消されるためとしており、そもそも海溝型地震ではこの説は成り立たないはずだ。だとすれば、海溝型地震では雨の影響を受けないために大地震が多くなるという説明がつくかもしれない。

地震と雨の関係

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画像は「Getty Images」より引用

 巷で見られる説では、「大地震の発生後に雨が降ることが多い」とも言われている。そして、そのことは過去の大地震発生時の気候を調べてみると、ある程度は正しいのかもしれない。以下に、主に内陸または内陸近くを震源として起きたM6.5以上の地震を調べてみた。

・ 1995年1月17日5:46:兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、M7.3
 地震発生時間帯の5時から、震源近くの洲本で0.5ミリほどの降雨があった。3日前以降と3日後までは降雨は全くなかった。

・2004年10月23日17:56:新潟県中越地震、M6.8
 震源に近い小国では、4日前から雨が降っており、地震当日は4時まで雨が降っていたが、その後に雨は上がり、2日後の23時になって初めて小雨が降った。翌日から2日間は雨がなかった。

・2007年3月25日9:41:能登半島地震、M6.9
 能登半島北部西沖の地震だが、震源は内陸に近く、そこから近い門前では前日から当日6時までは降雨があった。

・2016年4月16日 21:26:熊本地震(本震)、M7.3
 地震当日は21時までは雨はまったく無かったが、本震発生の約30分後の22時頃から、震源付近の熊本で1.5ミリの雨が降り出した。

 こうして見ると、まるで地震が雨の時を「避けて」起きるか、または逆に雨が地震発生時を「避けて」起きているかのような傾向が見られる。そうなると、やはり鍵田説に説得力が出てくるのではないだろうか。筆者はもちろん、鍵田氏の説に沿う地震だけを抽出したのではなく、そこに何の作為も無い。

 もっとも、鍵田説はあくまでも独自理論によるものであり、現在の科学では受け入れられないものだろう。しかし、上記のデータで示したように、期せずして鍵田説を追認するような結果となった。やはり、現在の科学ではわかっていない“何か”が作用しているのだろうか。

 そもそも、筆者が何度も指摘しているように今年は5月26日の月食と6月10日の日食と続く特別な期間のため、例年以上に大規模な地震や火山噴火には要注意となる。くれぐれも防災意識を高めて過ごしていただきたい。

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文=百瀬直也

超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
Webサイト:百幸.com
ブログ:『探求三昧』
note
Twitter: @noya_momose

百瀬直也の記事一覧はこちら

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