太平洋から「UFOの破片」を回収!? ハーバード大教授「地球外の技術文明の可能性」

 宇宙人はすでに地球に到達していたのか? 太平洋の海底からUFO(※)の可能性がある破片が回収されたという。

(※) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。最初のUFO目撃談とされる1947年の「ケネス・アーノルド事件」で、実業家のケネス・アーノルドが目撃した飛行物体について「水の上を滑る円盤のように」動いていたと描写したことから、宇宙人の乗り物を「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と言うこともある。

 米ハーバード大学教授で、2011年から2020年まで同大天文学科長を務め、ET探査のための「ガリレオ・プロジェクト」の責任者であるアヴィー・ローブ教授が、パプアニューギニア沖に墜落した2014年の流星の破片を探すため、太平洋の海底を2週間にわたって調査した。その結果、強力な“磁気そり”によって50個の小さな鉄の「球体」を回収したという。

太平洋から「UFOの破片」を回収!? ハーバード大教授「地球外の技術文明の可能性」の画像1
画像は「Avi Loeb Medium」より

 この小さな鉄球は、2014年に地球に飛来した「IM1」という恒星間天体のもの。恒星間天体といえば、2017年に地球に最接近したオウムアムアが有名だが、2019年にローブ教授の学生がIM1も恒星間天体であることを証明していた。史上初の恒星間天体はオウムアムアではなかったわけだ。

 IM1は2014年1月8日、地球に向かって突進しながら空気摩擦によって空中で炎を上げ、その跡に溶けた鉄の雨粒を残した。これらの恒星間金属片は、強力な磁石を使って太平洋から回収できるという発見が、ローブ教授と彼のガリレオチームの最新のミッションにつながった。

太平洋から「UFOの破片」を回収!? ハーバード大教授「地球外の技術文明の可能性」の画像2
画像は「Avi Loeb Medium」より

 トカナでも報じてきたように、ローブ教授はオウムアムアが宇宙人由来である可能性を追求し続けてきた人物だ。オウムアムアは地球に落下しなかったが、同じ恒星間天体のIM1の破片を回収できたことは、ローブ教授にとって大きな前進と言えるだろう。

 IM1の高速性と異常な物質強度を考えると、「その源は太陽系とは異なる自然環境か、地球外の技術文明であったに違いない」とローブ教授は「Fox News Digital」に語っている。

 実際に、IM1はNASAによってカタログ化されたすべての宇宙岩石よりも丈夫で、材料強度も高い。ローブ教授は、IM1の謎の鉄の残骸が、我々の惑星に不時着した「地球外技術文明から来た宇宙船」の最初の確かな証拠になるかもしれないという考えを否定していない。

 ローブ教授はIM1の主な構成物質が鉄であると考えていたため、強力な磁気そりで海底を探ったわけだが、実はカナダの地球宇宙探査研究所の天体物理学者は、衝突前のIM1の挙動をコンピューターでモデル化した結果、「鉄の物体であることを強く否定している」と主張していた。今回、回収した物質は実際に鉄が主要な成分であることがすでに判明しており、そうした反論は一蹴された。

太平洋から「UFOの破片」を回収!? ハーバード大教授「地球外の技術文明の可能性」の画像3
画像は「Avi Loeb Medium」より

 今後、研究室での本格的な分析からさらに多くの事実が判明してくることだろう。ローブ教授が「人類が恒星間物質を手にしたのは、これが初めてかもしれません」と話しているように、今回の発見はすでに偉業を達成しているが、やはり気になるのは恒星間天体=UFO説が事実なのか、ということだろう。今後の研究にますます期待したい。

参考:「Daily Mail」「Fox News」「Avi Loeb Medium」ほか

文=S・マスカラス(TOCANA編集部)

3代目TOCANA編集長
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