“2040年までに文明崩壊”50年前の“MIT予言”が現実に…! 専門家「成長の追求は不可能」
経済成長を前提にした資本主義はもう成り立たない地点にまで来ているかもしれない。2040年頃に経済活動の劇的な低下が起こると予想されている。検討された3つのシナリオのうち文明の崩壊を示したのは2つ、最も起こりそうもない楽観的なシナリオでのみ文明の崩壊を免れた。この分析が正しければ、人類文明は劇的に崩壊するか、ゆっくりと崩壊するかの2択になりそうだ。
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※ こちらの記事は2021年7月24日の記事を再掲しています。
やはり「グレートリセット」は不可避なのか――!? 世界4大コンサル企業の1つから衝撃のレポートが発表されている。人類の文明は間もなく崩壊に舵を切るというのだ。
我々の社会は「成長の限界」に予定通り近いづいている
1972年にシンクタンクのローマクラブが発表した「成長の限界」とは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のデニス・メドウズ教授らの研究チームが人類の未来について、このまま人口増加や環境汚染などが続けば、資源の枯渇や環境の悪化により100年以内に文明の成長が限界に達すると警告する衝撃的なレポートであった。
この警告は今もまだ有効なのか? そしてコロナ後の世界において、我々は経済活動をコロナ前に戻すべきなのだろうか?
経済アナリストによる新たな研究では、この世界は今も「成長の限界」に近づいており、今後10年以内に経済成長が峠を越えて衰退に向かいはじめ、最悪の場合は2040年頃までに社会の崩壊を引き起こす可能性があると結論づけている。この先10年以内に人類の文明は崩壊に向けて動き出すというのだ。
世界4大コンサルティング企業の1つ、KPMGの経済アナリストであるガヤ・ハリントン氏が2020年11月に「Yale Journal of Industrial Ecology」で発表した研究では、我々の社会は「成長の限界」に予定通り近いづいていることが報告されている。
ハリントン氏はMITの「World3」モデルがこれまでのデータとどのように重なるか評価した。過去に行われた同様の研究では、2014年のものが最新だったという。
ハリントン氏の新しい分析では、人口・出生率・死亡率・産業生産高・食料生産・サービス・再生不可能な資源・持続的な汚染・福祉、そしてエコロジカル・フットプリントという10の主要な変数にわたるデータを調べている。彼女は、最新データが2つのシナリオ、これまでの通りの経済活動である「BAU2(business-as-usual)」と、包括的技術である「CT(comprehensive technology)」と最も密接に一致していることを突き止めた。
「BAU2とCTのシナリオは、今から約10年以内に成長の停止を示しています。したがって、どちらのシナリオも、通常どおりビジネスを継続すること、つまり継続的な成長を追求することは不可能であることを示しています。前例のない技術開発や採用とを組み合わせた場合でも、LtG(成長の限界)によってモデル化された通常のビジネスは、必然的に今世紀内の産業資本、農業生産高、および福祉レベルの低下へとつながります」(研究論文より)
ハリントン氏はMITの「World3」モデルでは、崩壊は「人類が存在しなくなることを意味するのではなく」、むしろ「経済的および産業的成長が停止し、その後衰退し、食糧生産と生活水準を損なう」ことであると説明している。そして「BAU2」シナリオでは2040年頃に経済活動の急激な低下が示されているのだ。
この先10年の人類の選択と行いが文明の長期的な運命を決定する
一方、「CT」のシナリオでは、経済の衰退はやはり2040年前後に始まり、さまざまな悪影響が生じる可能性があるものの、壊滅的な社会崩壊には到らないという。このケースでは環境はより劣悪になるものの、かろうじて社会は存続するのである。
そして残念ながら、最新のデータに最も適合しなかったシナリオは、なんとか社会の安定が保たれるという「SW(stabilized world)」と呼ばれる最も楽観的な可能性である。「SW」では技術革新と公衆衛生および教育への広範な投資を組み合わせて文明は持続可能な道をたどり、経済成長の低下は最小限度に食い止められる。しかしそれは、最も起こり得そうにない未来なのだ。
「BAU」と「CT」の両方が今後約10年で経済成長の終わりを示しているが、「BAU2」シナリオのみが明確な“崩壊パターン”を示しており、「CT」は将来の衰退が人類一般にとって比較的ソフトランディングである可能性を示唆している。
“崩壊”を避けられたとしても、少なくとも現状の経済活動を続けることはできないと指摘されているのだが、研究ではイノベーションと公共サービスへの投資の増加こそが“崩壊リスク”を回避するだけでなく、安全に機能する新しい安定的に繁栄した文明につながることを見出している。「SW」もまだ不可能ではないのだが、しかし、その方向に舵を切るのに残された時間は10年しかないという。
「SWのシナリオは辿るのが最も困難な道ですが、社会が成長以外の目標に向けることによってもたらされる意図的な軌道修正は依然として可能です。LtGの作業はこの機会の窓が急速に閉じていることを意味します」(研究論文より)
2020年のダボス会議(世界経済フォーラム)でのKPMGディレクターとして臨んだプレゼンテーションでハリントン氏は別の道、つまり他の経済目標と優先事項に焦点を当てた成長へのアプローチについて論じた。
「私たちの社会的優先順位を変えることは、必要に迫られての屈服ではないのです。人間の活動は再生可能であり、私たちの生産能力は変化する可能性があります。実際、私たちは今そのようなことが起こっている例を見ています。これらの取り組みを拡大することで、持続可能な機会に満ちた世界が生まれました。移行は容易ではなく、いくつもの課題がありますが、持続可能で包括的な未来は依然として可能なのです」(ハリントン氏)
ハリントン氏はこの楽観主義の根拠として、環境、社会、および優れたガバナンスの優先順位の「急速な上昇」を指摘し、政府と企業の両方で起こっている考え方の変化を示している。真に持続可能な文明を作るのに、まだかろうじて間に合うというのである。
中止された今年のダボス会議で議題にされるはずであった「グレートリセット」が今後どのような進展を見せるのかはまだわからないが、いずれにしてもこの先10年の人類の選択と行いが文明の長期的な運命を決定することは間違いないのだろう。
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