リアル「エスター」が20歳(34歳)の誕生日を迎える! 8歳の養子が実は22歳成人、養母殺害疑惑も?

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20歳の誕生日を報告したナタリア(画像は「Daily Star」より)

 リアルエスターと呼ばれたナタリア・グレイスが20歳の誕生日を迎えたことが海外メディアで報じられた。誕生日を祝福する声を紹介する前に、まずは彼女の異色の経歴をふり返りたい。

“リアルエスター事件”とは

 2009年のホラー映画『エスター』は養子として迎えた少女が実は発育不全の成人女性であり、里親家族を破滅に導く恐怖のモンスターとして暗躍するストーリーだが、それを地で行く出来事が起こった。

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バーネット夫妻の養子だったころのナタリア(画像は「Daily Star」より)

 2010年4月26日、米インディアナ州在住のマイケル・バーネットとクリスティン夫妻(2014年に離婚)はウクライナの孤児院にいたナタリア・グレイス(6歳)を養子として迎え入れた。ナタリアは小人症の症状があり身長は90センチほどで歩行に障害があった。

 夫妻はナタリアを大いに可愛がって育て2年が経った時点で、ナタリアに妙に大人びたところがあることに気づき、医者に診せたところ、この時点で8歳のはずのナタリアが少なくとも14歳以上であると診断された。

 この頃からナタリアの家庭内での問題行動が目立つようになる。養母のコーヒーに漂白剤を入れたり、バスルームに自分の血で「殺す」と書いたり、養母を害獣対策用の庭の電気柵に押し付けようとしたりと、夫妻を危険な目に遭わせるようになった。

 ナタリアに手が負えなくなった夫妻は、養育義務の免除ために裁判所にナタリアの年齢の修正を申請し、2012年にナタリアが1989年9月4日生まれの22歳の成年女性であることが認められたのだ。その後、夫妻はナタリアにアパートを与えて別居することを決め、実の子供たちとカナダへ移住した。

 その後、インディアナ州ラファイエットの廃アパートで生活していたナタリアは、シンシア・マンスという人物に保護され、現在にいたる。

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バーネット夫妻とナタリア(画像は「Daily Star」より)

 バーネット夫妻から「小人症の社会病質な大人」だと非難されたナタリアだが、今年6月にドキュメンタリー番組に出演し、バーネット夫妻の証言は「全て実際には起こっていないこと」だと真っ向から否定している。

 ナタリアの生年月日が2003年9月4日だと裏付けるウクライナの文書が見つかっており、それを根拠にこの度20歳を迎えたというわけだが、バーネット夫妻が申請したように1989年生まれの34歳だという説もある。事件後ナタリアの生みの親の捜索も行われたようだが、その後母親が発見されたという報道もなく、バーネット夫妻以前の彼女の半生はいまも謎に包まれている。

 そういった事情はありながらも、ナタリアがInstagramに投稿した誕生日のポストには多くの祝福の言葉が並び、「あなたがこの世界にいてくれて良かった。誕生日おめでとう」という温かいメッセージも見られた。

 彼女のInstagramアカウントを見る限り、現在のナタリアはマンス一家のもとで幸せに暮らしているようだ。

参考:「Daily Star」ほか

文=S・マスカラス(TOCANA編集部)

3代目TOCANA編集長
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