UFO公聴会の証言を元CIA将校、元国防次官補が支持! 次は全UFO情報を握る「ICIG」が公聴会へ?

 UFO(※1)研究史上、画期的な出来事となった今年7月の米下院「UFO公聴会」だが、その後にどのような余波をもたらしたのか。複数の元政府要人が公聴会での証言者の1人、デイヴィッド・グラッシュ氏の話が本当であると太鼓判を押している。

グラッシュ氏の件でICIGに公式の質問状を送付

 今年7月26日に開かれた米下院の「UFO公聴会」では、元米空軍情報将校のデイヴィッド・グラッシュ氏、元米海軍パイロットのデイヴィッド・フレイヴァー氏、ライアン・グレイブズ氏の3人が「神に誓って真実を述べる」と宣誓証言して“真実”を語った。

 証言者の1人、グラッシュ氏はUFO(非人間起源の航空機)が地球に墜落し、研究のために政府によって回収されたと主張した。その中には非人間パイロットの遺体も含まれているというのである。 同氏はUFOの墜落と回収の出来事は少なくとも1930年代に遡ると述べている。

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デイヴィッド・グルシュ氏 画像は「YouTube」より

 彼の証言はアメリカ政府がUFOや非人間知的生命体の証拠を隠蔽していることを浮き彫りにしているといえる。

 ではこの件についてアメリカ政府内において最も把握している人物は誰なのか。

 グラッシュ氏が語るUFOと国家安全保障に関する隠された情報をすべて知っているリストのトップに位置しているのがインテリジェンス・コミュニティ監査総監(ICIG)であるトーマス・モンハイム氏であるという。

「UFO公聴会」の後、ティム・バーチェット下院議員はICIGに質問を記した書簡を送り、これらの詳細を要請したことがSNSなどでアナウンスしている。

 ICIGへの要求は次の2点である。

1:UAP 墜落事故回収プログラムに直接的または間接的に関与している情報コミュニティのメンバー、役職、施設、軍事基地、またはその他の関係者についての詳細の開示。

2:UAPリバースエンジニアリングプログラムに直接的または間接的に関与している情報コミュニティのメンバー、役職、施設、軍事基地、またはその他の関係者についての詳細の開示。

 そしてこれらの質問には、2023年9月15日までに回答することが求められている。

 調査ジャーナリストのロス・クルサート氏はバーチェット氏のSNSツイートを引用し、今後UAPに関する公聴会が開催される場合、ICIGのトーマス・モンハイム監察官が宣誓証言に呼ばれる最初の証人となるべきだと示唆している。つまりICIGを公の場所に立たせることが不可欠であるというのだ。はたして質問の回答期限である9月半ば以降に何か動きが見られるのだろうか。

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「Howandwhys」の記事より

権威ある複数の人物がグラッシュ氏の主張を支持

 真相追及系メディア「Howandwhys」の記事は、グルシュ氏は多くの権威ある人物から支持を受けていると言及している。

 元陸軍大佐で航空宇宙部門幹部のカール・ネル氏は2021年から2022年にかけてUAP任務部隊の陸軍連絡役としての役割を果たしたグラッシュ氏の誠実さと信頼性を高く評価している。

「過去80年間にわたり、起源不明のリバースエンジニアリング技術に焦点を当てて、地球規模の軍拡競争が存在するという彼の主張は、基本的に正しいものであり、これらの起源不明の技術の少なくとも一部は、人類の知性です」(カール・ネル氏)

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画像は「Pixabay」より

 また2023年8月31日に掲載された「USA Today」の記事では、CIAの元作戦将校ジム・セミバン氏と元情報担当国防次官補クリストファー・メロン氏の両名が、グラッシュ氏の証言は信頼できると述べている。

「そのような異常な主張には、例外的な、異常な証拠が必要です。しかしこれらの主張には明らかに実質的な根拠があります。国家安全保障と科学的影響は計り知れないため、議会による追加調査が必要です」(クリストファー・メロン氏)

「それが中国製であるはずはないし、ロシア製でもないし、もちろん私たちのものではないのは間違いありません。なぜならこれらの“船”を、私たちは向こう80年間も見てきたからです。ここにあるものは、非常に奇妙で、非常に珍しいものです。それでも非常に現実的です。それが実際に何なのかは誰にも推測できないと思います」(ジム・セミバン氏)

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「USA Today」の記事より

 メロン氏もセミバン氏も、軍と政府が知っていることを共有することを超党派が支持すれば、UAPが何であれ実際に存在するという考えを受け入れる人がますます増えるだろうと見込んでいる。

「大気圏では私たち自身にはできないことを行うインテリジェントな乗り物が存在するということを否定するのはますます難しくなるでしょう」とメロン氏は付け加えている。

「UFO公聴会」が世にもたらした余波は今後も各方面でさまざまな議論を招きそうである。

(※1)UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。

参考:「Howandwhys」「USA Today」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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