オオアリクイに殺された人は本当にいるのか? 怪人・亜留間次郎が徹底調査!
【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】
2006年ごろに大量に配信された「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」で始まるスパムメールがありました。
今ではすっかりネットのネタになっていますが、このメールではシンガポールで殺されたらしいのですが、オオアリクイは南米の動物でシンガポールにはオオアリクイはいません。
それ以前にオオアリクイに人を殺せるのか、現実にオオアリクイに殺された人がいるのか調べてみたら複数人が殺された事実が確認できました。
医学雑誌にも具体的にどんな怪我で致命傷になったのか症例報告も出ていました。
詳細が確認できた発生場所はブラジルとアルゼンチンでブラジルでは2014年と2016年に野生のオオアリクイに男性が殺されています。
2014年の被害者はブラジル北部アマゾナス州グアハラ郡のゴム農園に住んでいた47歳の男性です。
この人は猟銃を持って二人の息子と猟犬を連れてオオアリクイを追い詰めたのですが、犬に銃弾が当たるのを嫌ってナイフで殺そうとしたら逆に殺されました。
遺体には首の左側に打撲傷と擦り傷があり、左腕に4cmの鈍い貫通傷が2つ、左大腿前部に8つの鈍い貫通傷、右大腿に擦り傷がありました。
全身10カ所をオオアリクイの前足の爪で刺されて一つが左大腿動脈に達して致命傷になっていました。
オオアリクイの爪は人間の体に対して十分に深く刺さる凶器で、オアリクイはナイフを持った人間と格闘して逆に人間を殺せるようです。
この人は妻子がいたようなので、夫をオオアリクイに殺された未亡人も実在しました。
ただし、ブラジルの農村の人なので莫大な遺産とかはなさそうです。
2016年の被害者はブラジル・ミナスジェライス州ディアマンティーナの農村部に住んでいた金山鉱夫の男性、ジョゼ・マルティンス・ロドリゲス・デ・ソウザ(José Martins Rodrigues de Souza)さん41歳です。
犬が吠えているので様子を見に行ったらオオアリクイに襲われて前足の爪が右太股に深く刺さり大腿動脈に達したことで出血死しました。
傷口の幅は2センチほどですが大腿動脈まで届いた深さが致命傷になりました。
こちらは一撃で致命傷になっていますが、この殺人オオアリクイは逃げてしまい捕まっていません。
本当にブラジルの奥地には今も殺人オオアリクイが徘徊しているかも知れません。
また、2022年には大怪我ですんでいますが、54歳の男性が上腕部をオオアリクイの爪で刺されて大怪我して手術を受けた症例報告が出ています。
やはりオオアリクイに大動脈を刺されると致命傷になるようです。
簡単なニュース記事だけで詳細は不明ですが、2010年に75歳の男性がオオアリクイに太股を刺されて死亡した話もありました。
こうしたニュースは主に南米で起きているので検索する時はネット翻訳を使ってブラジルの公用語であるポルトガル語とアルゼンチンの公用語であるスペイン語で検索すると見つけやすいです。
2007年4月10日に起きたアルゼンチンの犠牲者は動物園の飼育員で野生ではなく飼育されていたオオアリクイに襲われて死亡しました。
当時19歳だったメリサ・ノエリア・カスコさんはオオアリクイ「ラモン」に刺されて死亡しました。
事件はその後、1億100万アルゼンチン・ペソ(約42,887,589円)の賠償金を求めて遺族が裁判で争うことになりましたが、判決がどうなったのか不明です。
不謹慎ですが「娘がオオアリクイに殺されてから15年の裁判をへて1億ペソの賠償金が振り込まれました。でも私達夫婦はお金なんか欲しくありません、娘のために役立ててくださる方に差し上げます」みたいな文面で詐欺メールを出したらダメですね。
殺された人達の状況をまとめると、オオアリクイに太股を刺されて大動脈にまで達する深い傷が致命傷になり死ぬようです。
コレはナイフで太股を刺されて死ぬ人と全く同じです。
オオアリクイの威嚇ポーズを見て可愛いと思って近づくと刺されて死にます。
可愛く見えても威嚇は近づけば殺すって意思表示なんだから近寄っちゃダメなんです。
もしも事実なら
件名: 主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。
いきなりのメール失礼します。
久光さやか、29歳の未亡人です。
お互いのニーズに合致しそうだと思い、連絡してみました。
自分のことを少し語ります。
昨年の夏、わけあって主人を亡くしました。
自分は…主人のことを…死ぬまで何も理解していなかったのがとても悔やまれます。
主人はシンガポールに頻繁に旅行に向っていたのですが、それは遊びの為の旅行ではなかったのです。
収入を得るために、私に内緒であんな危険な出稼ぎをしていたなんて。
一年が経過して、ようやく主人の死から立ち直ってきました。
ですが、お恥ずかしい話ですが、毎日の孤独な夜に、身体の火照りが止まらなくなる時間も増えてきました。
主人の残した財産は莫大な額です。
つまり、謝礼は幾らでも出きますので、私の性欲を満たして欲しいのです。
お返事を頂けましたら、もっと詳しい話をしたいと考えています。連絡、待っていますね。
もしもこのメールの話が実話だと仮定するなら殺された人物とは何者だったのか考察してみます。
まず、オオアリクイに殺された人物は金持ちで莫大な遺産を残しています、一般庶民ではなく高額所得者です。
この点からして南米の農村部で暮らしていた実際にオオアリクイに殺された人達とはかみ合いません。
シンガポールにある動物園の飼育係だとしたら大金や頻繁に旅行に行くことも矛盾します。
すると「シンガポールに頻繁に旅行に向っていた」「遊びの為の旅行ではなかった」という文面から読み取れるのは。
現実にはビジネス目的の渡航なのに表向きは遊びに行っているように見えた、死んでから実は遊びではなかったことが発覚したことです。
まず、シンガポールは動物の密輸拠点で象牙からセンザンコウまであらゆる希少種の密貿易が行われています。
日本でも中国でもシンガポールから密輸された希少動物の押収は何度も起こっています。
つまり、シンガポールに頻繁に旅行に行って高い収入を得るために内緒で危険な出稼ぎをしていた人物とは密輸業者だと考えられます。
一つの可能性として自分が密輸しようした希少動物のオオアリクイに刺されて死んだ可能性が考えられます。
もう一つは中国人で中国の司法で死刑になっている可能性です。
過去にも中国ではセンザンコウの密輸業者が執行猶予付きの死刑判決を受けています。
オオアリクイの密輸で逮捕されて死刑か、あるいは中国かシンガポールの警察に射殺されたか、犯罪組織同士の抗争で殺された可能性も考えられます。
それに、センザンコウは古い分類ではオオアリクイと同じ貧歯目に分類されていた事から鱗アリクイという別名があります。
オオアリクイと鱗アリクイが混ざってしまった可能性も考えられます。
また、シンガポールでは麻薬密輸の罪が重く死刑が科されます。
希少動物の密輸業者が麻薬も扱っていたならシンガポールで死刑は十分にありえます。
どちらにしてもこの未亡人に残された莫大な財産は綺麗なお金ではありません。
事実だとしたら新しい運び屋にされるか、マネーロンダリングに利用されるとしか思えません。
事実でも関わったらダメですね。
参考:「Research Gate」「NCBI」「Otempo」「Scielo」「Repositorio」「Reuters」ほか
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