納得いかない暗殺にまつわる陰謀論 – JFKからガンジーまで

 世界に衝撃を与えたジョン・F・ケネディ暗殺から60年が経つが、ノンフィクション作家のジム・ムーア氏によればこの件を含めてこれまでに“納得できない”暗殺事件が8件もあるという――。

■ジョン・F・ケネディ暗殺事件

 1963年11月22日午後12時30分、元米海兵隊員のリー・ハーヴェイ・オズワルドがダラスのディーリー・プラザを通過するケネディ大統領の乗る車に向けてライフルの銃弾を3発発砲し、その2発が大統領に命中し死亡したとされている。

 オズワルドは現場から逃走する途中、追ってきた地元警察官も殺害し、最終的には映画館で逮捕された。

 その2日後にオズワルドは地元の警察本部でナイトクラブのボス、ジャック・ルビーに射殺された。オズワルドは自分が「騙されている」と主張していたが、公式調査は彼の単独犯行であったと結論づけている。

「Daily Star」の記事より

■リンカーン大統領暗殺事件

 南北戦争の末期、敗北した南部連合の支持者だった俳優のジョン・ウィルクス・ブースが、勝利した北軍の指導者エイブラハム・リンカーン大統領を殺害した。

 1865年4月14日の夜、ブースは妻とともにワシントンD.C.のフォード劇場でボックス席から演劇を見ていた際に、リンカーン大統領の後頭部をピストルで撃ったのだ。銃撃の直後、ブースはステージに飛び上がり「南部の仇が打たれた!」と叫びながら逃走した。

 北軍の徹底的な捜索により4月26日、バージニア州某所の農場の納屋にブーズが潜んでいることが突き止められた。ブースは降伏を拒否したため、納屋は軍隊によって放火され最終的にブースは射殺された。殺さずに身柄を確保することはできなかったのだろうか。ブースの射殺で事件の背景は闇に葬られることになった。

「Daily Star」の記事より

■レフ・トロツキー暗殺事件

 ヨシフ・スターリンとの権力闘争に敗れたロシアの革命家、レフ・トロツキーは国を追われ最終的にメキシコに亡命した。

 1940年8月20日、支持者を装ったラモン・メルカデルがトロツキーの書斎に侵入し、ピッケルで彼の後頭部を強打して致命傷を負わせた。トロツキーは直ちに病院に搬送されたが、翌日午後7時頃に病院で死亡した。

 メルカデルはすぐに逮捕され20年近く服役した。釈放されて帰国するとKGB長官によってソ連の英雄としてレーニン勲章を授与された。3児の父親である彼は65歳で亡くなりモスクワに埋葬されている。

 取り調べでは頑なに「単独犯行」を主張したメルカデルは事件の背後関係を隠蔽したまま墓に入ったのだ。

■サラエボ事件

 1914年6月28日、サラエボを旅行中のオーストリア・ハンガリー帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公夫妻が馬車で移動中にボスニアのセルビア人学生ガヴリロ・プリンツィプによって銃撃されて殺害された。

 しかしオーストリア=ハンガリー帝国の王位継承者を殺害するという彼の行動は、第一次世界大戦につながる一連の出来事を引き起こすことになる。

 プリンツィプは自殺を試みたが現場で地面に組み伏せられて果たせず、年齢を理由に死刑ではなく懲役20年が言い渡された。しかしプリンツィプは結核を患い片腕を失い1918年に23歳の若さで刑務所内で死亡した。

 プリンツィプはテロ組織「黒手組」によって訓練を受けており自由なユーゴスラビアを望んでいたというが、その真意と事件の背景には不明瞭な点も少なくない。

■マハトマ・ガンディー暗殺事件

 インドでイギリスの支配に対する非暴力抵抗運動を率いていたマハトマ・ガンディーの暗殺事件も有名だが事件には釈然としない点もある。

 1948年1月30日、ヒンズー教国家主義者のナートゥーラーム・ゴードセーは、ニューデリーの祈祷会で78歳のガンディーの胸に3発の銃弾を撃ち込んだ。彼はインドとパキスタンに国が分割されていた間、ガンジーがインドのイスラム教徒をあまりにも優遇し過ぎているというのが犯行の動機といわれている。

 仲間と共謀して殺人を犯した39歳のゴードセーは、アメリカ人外交官に拘束され、ガンジーの息子たちからの恩赦の要求にもかかわらず、死刑判決を受け1949年に処刑された。あまりにも早い幕引きにわずかな疑問も禁じ得ない。

「Daily Star」の記事より

■イギリス首相暗殺事件

 暗殺された唯一のイギリス首相、スペンサー・パーシヴァルは1812年5月11日に下院ロビーで「私は殺された!(I am murdered!)」と叫びながら銃撃された。

 殺人犯のジョン・ベリンガムは首相の胸を撃った後、静かにベンチに座って逮捕を待っていた。

 ベリンガムはかつて自身がロシアで不当に投獄された際、イギリス政府の経済的補償の欠如に腹を立てていたといわれている。

 家族のある42歳のベリンガムが精神異常者であるという証拠は裁判で棄却され、ベリンガムは1週間後に公開絞首刑で処刑された。これもまたあまりにも早い幕引きであった。

■キング牧師暗殺事件

 アメリカの有名な公民権運動指導者、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアを射殺したとされる男、ジェームズ・アール・レイはロンドンのヒースロー空港で偽造パスポートを使って渡航しようとしたところを逮捕された。

 このアメリカ人の元強盗は、1968年4月4日にテネシー州メンフィスのモーテルのバルコニーに立っていたキング牧師の頭をライフルで撃って殺害した後、カナダを経由してイギリスに逃亡していた。

 レイは後に罪を認め、1969年に懲役99年の判決を受けたが、後に無罪を主張したため黒幕の存在を疑う陰謀説が浮上した。カナダの偽造パスポートの入手法や旅費の出所などの疑問も浮上してきたのだ。しかしこれらの疑問は本格的に検証されることはなくレイは1998年に刑務所内で70歳で亡くなった。

「Daily Star」の記事より

■ロバート・F・ケネディ暗殺事件

 JFKの弟、ロバート・F・ケネディ(42歳)は1968年6月5日、アメリカ大統領就任を目指す選挙運動中にパレスチナ過激派のサーハン・サーハン(24歳)によって銃撃された。

 3発の銃弾を受けたロバートは病院に運ばれたが翌朝に死亡した。

 サーハンは逮捕され、1969年に有罪判決を受けて後に死刑判決を受けたのだが、さらにその後に終身刑を宣告された。捜査状況についても不審とされる点が多い。

 現在79歳の彼は「銃撃の瞬間のことは覚えていない」と発言し、陰謀の一環として催眠術をかけられて殺人を実行した可能性があると主張している。彼は何度も仮釈放を要求しているが拒否されている。

「Daily Star」の記事より

 これら8つの暗殺事件は謎を残したまま闇に葬られるのか。それとも今後新たな展開が見られることがあるのか気に留めておいてもよいのだろう。

参考:「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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