「グリーンチルドレン」12世紀のイギリスの昔話に“実話説”が浮上! 学者「全身緑色の子どもは宇宙人、物質転送装置も…」

 イギリスの昔話に「ウールピットのグリーンチルドレン」という不思議な話がある。

■ウールピットのグリーンチルドレン

12世紀イギリスの昔話「グリーンチルドレン」に実話説が浮上! 学者「全身緑色の子どもは宇宙人、物質転送装置も…」の画像1画像は「The Lineup」より引用

 12世紀頃、英・サフォーク州のウールピット(Wool pit)で、オオカミの落とし穴(wolf pit)に落ちた2人の子どもが見つかった。姉と弟らしきその子どもたちは、緑色の皮膚に覆われ、未知の言語を話し、衣服も奇妙だったという。その後、2人はウールピットで保護されたが、数日間は食事に手をつけなかった。しかし、生のソラマメを見つけた途端、貪るように食べたという。2人は徐々に普通の食事にも慣れていき、体の色も肌色に戻っていった。しかし、後に弟は病気に罹り死んでしまったそうだ。

一方、姉は英語を覚え、自分たちが聖マーティンという全身緑色の人たちが住む場所からやってきたと語った。そこは太陽の光が届かない、常に黄昏時のような薄明かりに照らされている場所だという。しかし、そこからウールピットに迷い込んだ理由はよく覚えていなかった。後に姉は使用人として働き、結婚もしたそうだが、聖マーティンに帰ることは遂になかったそうだ。

■貧血の子どもか?

 この2人のグリーンチルドレンは一体何者だったのか? 海外のミステリーサイトでは、低色素性貧血のため肌が緑色になっていたのではないかと推測している。この病を発症すると赤血球が通常よりも薄い色のため、肌が緑っぽく見えることから、英語ではgreensickness(緑病)とも呼ばれる。

■宇宙人か?

 しかし、グリーンチルドレンが地球外からやってきた宇宙人だと主張する人も多いという。たとえば、17世紀に英・オックスフォード大学の学者だったロバート・バートン博士は、「2人は金星か火星からやって来たはずだ」と自著で主張しており、未確認生物研究家のカール・シャッカー博士も、「グリーンチルドレンは、次元間を繋ぐ扉を偶然通ってしまい、並行世界からこちらの世界にやって来た」と考えていたそうだ。

 また、現代の天文学者で作家のダンカン・ルナン氏も、物質転送装置の故障により、グリーンチルドレンは自分たちの惑星から偶然ウールピットに送られたのではないかと推測し、聖マーティンは太陽(我々の太陽ではない)と同期軌道(軌道の中心となる重力体の自転周期と軌道を描く物体の公転周期が同一になる軌道)にある惑星ではないかと自説を展開しているという。聖マーティンが太陽と同期軌道にあるとすれば、太陽があたる灼熱面とその裏側の暗黒の地域の間は薄明かりの世界になるというのだ。

 謎が謎を呼ぶグリーンチルドレン。果たして彼らは貧血の子どもだったのか、それとも地球外生命体だったのか……。読者はどう思われるだろうか?

参考:「The Lineup」ほか

 

※当記事は2018年8月の記事を再掲しています。

TOCANA編集部

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