殺人ピエロの“ジョン・ウェイン・ゲイシー” 犠牲者がさらに20人増える可能性
“殺人ピエロ”の異名を持つアメリカのシリアルキラー、ジョン・ウェイン・ゲイシーは33名の少年たちを虐待したうえで殺害したことが明らかになっているが、まだ発見されていない犠牲者がさらに20人ほどいるのではないかという――。
■全米を震撼させた“殺人ピエロ”
チャリティーイベントなどでピエロに扮して子供たちを楽しませていたジョン・ウェイン・ゲイシー(1942-1994)の“裏の顔”は子供たちを次々と毒牙に欠ける戦慄のシリアルキラーであった。その異名の通りまさに“殺人ピエロ”である。
ゲイシーは1972年から1978年の間に少年らむ33名を虐待のうえに殺害したことが明らかになっているが、彼の最後の弁護を担当した弁護士によると、それ以前にも犠牲者がいた可能性があるという。なんとその数は20人にも及ぶというのだ。
1994年に若手の弁護士、カレン・コンティ氏は、アメリカで最も多作な連続殺人犯の一人、ジョン・ウェイン・ゲイシーが死刑囚として処刑される最後の1年間に弁護を担当する任務を与えられた。
卑劣な強姦魔、拷問者、そして全米を震撼させた連続殺人犯であるゲイシーだが、コンティ氏によればまだ発見されることのないさらに多くの被害者がいる可能性があると指摘している。
アメリカ史上最も悪名高い連続殺人犯の一人であるゲイシーは、1970年代にシカゴ近郊のノーウッドパーク地区で少なくとも33人の若者と少年をレイプ、拷問、殺害した。彼は手品を見せるという名目で被害者を自宅に誘い込んでから手錠をかけ、その後に陰惨な虐待を行うののが常であった。
子供たちがなぜそんなにも容易にゲイシーの誘いに乗ってしまったのか。そこには周到な“事前準備”があった。地域のチャリティーイベントやパーティーで自身が創作したキャラクター“ピエロのポゴ”に扮して何度もパフォーマンスを行い子供たちからの好感を獲得していたのである。ちなみに死刑になったゲイリーは1994年5月10日に米イリノイ州で薬物注射により処刑された。
■加えて20人の犠牲者がいる可能性
コンティ氏の自著『Killing Time』では、若い弁護士としてアメリカ最悪の連続殺人犯の一人の事件を担当した彼女の経験が綴られている。
彼女は、当時の警察にデジタル化されたデータベースがなかったため、転居先の管轄で前科が発見されず、そのためにゲイシーが殺人を続けることができたはずであったと説明する。
「当時、全米規模で犯罪記録を検索し捜査を行う仕組みがあったとは思えない」とコンティ氏は「The US Sun」紙の取材に答えている。
コンティ氏はゲイシーにはドライブなどで頻繁に町を離れる習慣があり、旅の最中に最大で20人の犠牲者が出た可能性があると語る。そして田舎であれば子供を誘拐したり遺体を遺棄したりするのが簡単だったはずだとも付け加えた。遺体が発見されていない犠牲者がいるはずであるというのだ。
彼女はまたゲイシーが、彼の犯罪の一部を見逃したとされる政府高官に関する情報を隠蔽していたという噂も重要視している。ゲイシーが虐待に関係した同性愛者ののリストを持っているという噂があり、その中には政府高官の名前もあるというのだ。このリストを持っていることで、ゲイシーは初期の犯行を不問にされてきたという“陰謀論”があるというのだが、コンティ氏は検証に値すると考えているようだ。
1968年にゲイシーはアイオワ州ウォータールーに住んでいたときに10代の少年に対するソドミー(反自然性交)の罪を1件認め、懲役10年の判決を受けているが、アイオワ州には1964年から来ていたことから、コンティ氏はこの少年のほかにも犠牲者がいた可能性があることも指摘する。
はたしてゲイシーにはほかにもまだ余罪があったのだろうか。そして“陰謀論”が今後検証されることがあるのか。死刑執行から30年を過ぎたこの件に思いもよらぬ新局面が待っていないとも限らない。
参考:「Daily Star」ほか
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