現実の『ジョーカー』“制御不能の病的な笑い” 情動調節障害に苦しむ人々

 その場の雰囲気やTPOに関わらず、長い時は10分間も笑いが止まらなくなるという病気が存在する。情動調節障害(Pseudobulbar Affect:PBA)と呼ばれる疾患で、映画『ジョーカー』とその続編でホアキン・フェニックスが演じたアーサー・フレックが悩まされていた症状だ。

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 非常にまれな症状であるが、この疾患に悩まされている人は少なくない。アメリカのバージニアビーチに住むスコット・ロータン氏もまた、日常的に笑いの発作に悩まされている。

「レストランでサービスを受けられなかったり、店員に不快だからと退店させられたりしたこともある。 友人と飲みに出かけた時、私が笑っていると思い込んだ人から喧嘩を吹っ掛けられたことが何度もある」と彼はインタビューで語っている。

 彼の症状は、2003年に彼の母親と婚約者が死亡した交通事故の現場に立ち会ったときに明らかになったという。

「現場で笑いが抑えられず、警察に質問されたことを覚えている。母と婚約者の通夜の席でも度々笑い出すことがあったので、みんなと離れなければならなかった」

 問題なのは、この症状が脳の障害や精神的ストレスによるもののため、自分の意思では笑いを止められない点だ。彼の日常を記録した動画では、彼が自分の症状をコントロールしようとしながら、定期的に何でもないことで大笑いしている様子が記録されている。

 周囲に理解されにくいこの病への理解が進むことを彼は願っているという。

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文=田中尚(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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