人間にそっくりな宇宙人「ジャノス人」の特徴とは?1,000万人が宇宙難民として地球に来ている可能性も…

二代目バルタン星人 画像は「Amazon」より

 バルタン星人が初めてブラウン管に登場したのは、昭和41年7月10日に放映された「ウルトラマン前夜祭」であった。2週間後の第二話「侵略者を撃て」では、ウルトラマンや科学特捜隊とバルタン星人の本格的な対決が見られた。大きなハサミ状の前腕と「フォッフォッフォ」という独特の笑い声は、見る人に強烈なインパクトを与え、たちまち人気怪獣となった。バルタン星人は、その後もシリーズ中に何度も登場し、長くウルトラ兄弟の宿敵ともいうべき存在だった。

 このバルタン星人、故郷の星が、狂った科学者の核実験で破壊され、宇宙をさまよっているうちに地球に辿り着いたという設定になっている。そして続くシリーズ「ウルトラセブン」でも、やはり故郷の星を失い、巨大な人工都市を作って宇宙を放浪しているペガッサ星人という宇宙人が登場している。実は現実に報告されているUFO事件にも、こうしたバルタン星人やペガッサ星人に似た境遇の宇宙人が登場しているのだ。


■人間と宇宙難民「ジャノス人」の邂逅

 宇宙難民とも言うべき宇宙人「ジャノス人」が登場したのは、イギリスのオックスフォードシャーで起きた、一見典型的なアブダクション事件であった。

 1978年6月19日の夜、ジョンとグロリアという夫婦、その子どもナターシャとタニヤ、さらにジョンの妹フランシス(いずれも仮名)は、親戚の葬儀からの帰途にあった。途中、彼らは上空に何か白く光る物体を見た。大人たちが覚えていたのは、一度車を停めてそれを観測しようとしたが、物体が降下してきたのですぐに車に戻り、運転を再開したことだ。

 ところがその時、奇妙なことが起きた。彼らが運転していたのは何度も通ったことのある道路だったが、なぜか周囲に見知らぬ光景が広がっていた。さらに、本来まっすぐな道路が何度も左右にうねり、上り下りも多かった。そして、白い光は途中まで彼らを追って来ると、いつのまにか消えた。8時20分には自宅に着くはずだったが、実際に戻ることができたのは、深夜12時15分だった。

 それから数日後、ジョンとグロリアとフランシスは、右膝の内側や右足の外側、そして腕などに、何かで圧迫されたような楕円形のあざを見つけ、そこにかゆみを感じた。また1週間後、インフルエンザにかかったジョンは、奇妙な夢を見た。その中で彼は、光の柱の中を上昇して巨大な円盤型物体の中に入り、歯科医が使うような椅子に横たわって検査を受けていた。そして何かがジョンの右足を強く掴んだが、それはあざのある場所と一致した。しかも、時を同じくして妹のフランシスも同じような夢を見始めた。

 ともあれ、一家は揃って退行催眠を受けることになり、その結果、事件のあらましが浮かび上がってきた。そして一家を円盤内に連れ込んだのが、故郷を失った宇宙人「ジャノス人」であることも判明するのだ。

 

■その時、何が起きていたのか?

人間にそっくりな宇宙人「ジャノス人」の特徴とは?1,000万人が宇宙難民として地球に来ている可能性も?の画像3
画像は「GALAKTISK SERVER」より引用

 退行催眠では、ジョンが2度、車を停めていたことが明らかになった。2度目に車を止めた際は、UFOが一家の頭上まで降下し、さらに車の周辺に濃い霧が立ち込めていた。その霧の中から数人の人影が現れ、一家は彼らと一緒に、UFOから照射された光の柱の中を上昇して中に入ったのだ。

 UFO内部では家族がばらばらにされ、大人たちは歯科医の椅子で身体検査を受けた。家族にはそれぞれ担当の者がつき、アキリアス、ウジオウリアなどそれぞれの名を名乗り、テレパシーで英語での綴りまで教えてくれたという。

 ジャノス人は金髪と青い目を持ち、全体的にスリムな体型の、いわゆる「ノルディック」(北欧風)と呼ばれる異星人である。UFO内部で一家が出会ったジャノス人たちは、声とテレパシーの両方で完璧な英語を操り、それに画像を用いて彼らの故郷ジャノスについても説明した。そして、いずれも全身を覆う銀色のオーバーオールを身につけていた。多くの者は服と一体となったヘルメットを被っていたが、頭髪を剥き出しにした者や、ベルトや白い線など、何らかの識別標識らしきものをつけた者もいたという。

 また一家が連れ込まれたUFOは、直径100メートルほどのレンズ型をしており、乗員は50人以上いたが、ジャノス人たちはこれを「小型艇」と呼んでいた。彼らは、この「小型艇」が数え切れないほど収容できる超巨大なリング状宇宙船で宇宙を航海してきたのだ。


■「ジャノス人」とは何者か

 では、彼らの星ジャノスとはどのような環境だったのだろう。また、なぜ彼らは故郷の惑星を離れ、地球にやって来たのだろうか。

 ジャノスは、地球から数千光年離れたところにある、地球によく似た惑星だった。ただし、海よりも陸地の面積のほうが大きく、地球より温暖であるため、氷は存在しなかった。ジャノスは、ザルニアとザトンという2つの衛星を持っていたが、ザトンの軌道がずれてジャノスに近づいてきた。すると次第にザトンは崩壊し、無数の隕石がジャノスに降り注いだ。

 ジャノス人は当初、安全な地下に避難しようとした。しかし、隕石のひとつが、とある原子力発電所を直撃した。すると何らかの技術的原因で、その近くにあったほかの原子力発電所が誘爆し、それが繰り返され、ついにはジャノスにあるすべての発電所が破壊されたのだ。

 こうして生き残った1,000万人のジャノス人は、放射能で汚染された母星を捨て、巨大な宇宙船で第二の故郷を求めて旅立ったというわけだ。

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■古代ギリシャから拉致された人々の末裔!?

 ところで、ジャノス人についてはもうひとつ奇妙なことがある。まずは外見が地球人とそっくりなことだ。ジョン一家の身体検査をした際、ジャノス人たちは「心拍数が若干早い点を除き、ジャノス人は地球人と同じだ」と説明した。さらに「ジャノス人が地球に定住すれば、地球人と同じように暮らすだろう」とも述べた。

 また、ジャノス、ザトン、アキリアスなど、彼らの用いる名詞が地球のギリシャ語に似ていることも指摘されている。ジョンの一家は、ジャノス人同士がまったく理解できない言語で話しているのを聞いたと証言しているが、もしかしたらギリシャ語に近いものだったのかもしれない。さらに奇妙なのは、ジャノス人の間で、何千光年も離れた地球のことが数千年前から伝えられていたという点だ。そこで、ジャノス人とは何らかの方法で古代ギリシャから連れ去られた人種かもしれないとの説もあるほどだ。

 いずれにせよ、1,000万人のジャノス人は太陽系内の着陸許可を待っていると主張したようだが、いまのところ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの公的機関がこの問題で動いているという情報はない。他方、恒星間航行も可能な優れた科学力を持つジャノス人である。特定の国家が、その技術力と引き換えに、密かにジャノス人を自国に移住させている可能性も否定できないだろう。なにしろジャノス人は、外見も生理的機能も地球人とまったく同じであり、しかも完璧な英語を習得しているのだ。もしかしたら、我々の周囲にもジャノス人は暮らしているのかもしれない。

 

※当記事は2015年の記事を再編集して掲載しています。

文=羽仁礼

一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員、 TOCANA上席研究員、ノンフィクション作家、占星術研究家、 中東研究家、元外交官。著書に『図解 UFO (F‐Files No.14)』(新紀元社、桜井 慎太郎名義)、『世界のオカルト遺産 調べてきました』(彩図社、松岡信宏名義)ほか多数。
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