恐ろしい負の一致「ダーク・シンクロニシティ」の実例8選! 同期死、同期不幸…理屈では説明できない絶望の連鎖とは

 因果的に何の関係もないはずの遠く離れた2つの出来事が同期をみせる現象「シンクロニシティ」。心理学者カール・ユングが提唱して以来、あらゆる分野で語られてきた概念であるが、その中には「ダーク・シンクロニシティ」とも言うべき、人の死にまつわる一致も存在する。この記事では実際に起こった「ダーク・シンクロニシティ」の実例を8つご紹介しよう。


■ウンベルト一世

知ったら恐ろしい負の一致「ダーク・シンクロニシティ」の実例8選! 同期死、同期不幸…理屈では説明できない絶望の連鎖とは?の画像2ウンベルト一世暗殺事件「Wikipedia」より引用

 1900年7月29日、イタリア王国第2代国王ウンベルト一世が、アナーキストによりパレード中に暗殺される事件が起きたが、この暗殺事件にはあまりにも奇妙なシンクロがあったという。暗殺の前日、7月28日、ウンベルト一世はイタリア北部の都市・モンツァのあるレストランで食事をとったところ、その店のオーナーが顔付きも含め妙に自身と共通点が多いことに気付いた。そこで、詳しく話を聞いてみると、オーナーの名前は国王と同じくウンベルト、同年同日同時刻に同市内で誕生し、息子の名前から妻の名前まで全て一致したのだ。さらには、ウンベルト一世が国王に即位した日と、そのレストランがオープンした日まで同じだったというから驚きである。

 あまりの共通点の多さに意気投合した2人は、翌日のパレードで再会すると約束。しかし当日、たまたまオーナーは手入れをしていた銃が暴発し、死亡、パレードに現れることはなかった。その直後、ウンベルト一世も暗殺者の凶弾に斃れた。


■サラエボ事件

知ったら恐ろしい負の一致「ダーク・シンクロニシティ」の実例8選! 同期死、同期不幸…理屈では説明できない絶望の連鎖とは?の画像3サラエボ市民と触れ合うフランツ・フェルディナントとゾフィー「Wikipedia」より引用

 第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件にも奇妙な一致があった。オーストリア・ハンガリー帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナントが、過激派テロ組織のメンバーだったネデリュコ・チャブリノヴィッチに暗殺された際、フェルディナントが乗っていた車のナンバーは「A III118」。これは奇しくも、第一次世界大戦の停戦記念日(Armistice Day)1918年11月11日と一致していたのだ。

■リンカーンとケネディ

 最も有名なダーク・シンクロニシティといえば、暗殺された2人のアメリカ大統領、エイブラハム・リンカーンとジョン・F・ケネディだろう。

・リンカーンの大統領就任(1860年)からちょうど100年目にケネディが大統領(1960年)に就任した。
・ともにジョンソンという名の副大統領がおり、暗殺後に大統領に就任した上、両ジョンソンはちょうど100年違いで誕生している。(アンドリュー・ジョンソン1808年生、リンドン・ジョンソン1908年生)
・リンカーンにはケネディという秘書がおり、ケネディにはリンカーンという秘書がいた。
・金曜日に妻の隣で頭を打ちぬかれて殺害された。
・リンカーンはフォード劇場の7番のボックス席で殺害され、ケネディは先頭から7番目のリンカーン・コンチネンタル(フォード社)に乗っていたところを殺害された。
・犯人は3つの名前をもち、アルファベットの合計がちょうど15になる。
・犯人を逮捕した警察官の名前がともにベイカー。
・2人とも自身の暗殺を事前に予言していた。

■ダーク・シンクロニシティを裏付ける多数の実例

・1746年2月13日、フランス人ジャン・マリー・デュバリーが父親殺しの罪で処刑された。ちょうど100年後の1846年2月13日、同じくジャン・マリー・デュバリーという名の男が父親殺しで処刑されている。

・2002年、フィンランド・ヘルシンキで、双子の兄弟がそれぞれ1.5km離れた場所で交通事故によりほぼ同時刻に死亡。

・1975年、バミューダで、ある男がタクシーと衝突し、死亡。そのちょうど1年後、男の兄弟が同一のタクシードライバーに轢かれ、死亡している。さらに驚くべきことに、そのタクシーに乗っていた乗客も、1年前の事故時に乗車していた人物と同じだった。

・1975年5月22日、イングランドに住んでいた双子の兄弟ジョン・モウフォースとアーサー・モウフォースが別々の場所で、重篤な胸の痛みを訴え、それぞれ異なる病院に搬送された。2人とも病院にほぼ同時刻に到着すると、直後に心臓発作を起こし死亡。(ルイージ・ゲッダ著『Chronogenetics: The Inheritance of Biological Time』)

・1922年12月20日、建設作業員のジョン・ティアニーが、建設中のフーバー・ダムで事故死。その14年後の同日、なんと息子のパトリック・ティアニーがダムのタワーから落下、死亡した。

イメージ画像 Created with DALL·E

■偶然の一致に意味はあるのか?

 これら「ダーク・シンクロニシティ」は全くの偶然なのだろうか? そうとも言えるだろう。長い歴史をながめてみれば奇妙な一致というのも出てくるかもしれない。円周率も何万桁ともなれば、あなたの誕生日の日付をその中に見つけることもできる。統計学者のデイヴィッド・ハンドも、著書『The Improbability Principle』で、「決して起こりそうもない出来事は、ありふれている」と語っているそうだ。

 一方、米バージニア大学の精神科医バーナード・ベイトマン教授は、「ランダムというだけでは十分な説明とは思えない」と、これらのシンクロニシティが単なる無作為ではない可能性に言及しており、科学者の間でもコンセンサスが取れていない状況のようだ。

 シンクロニシティを発見したカール・ユングは、世界には因果関係を超越した特殊な関係性が働いていると指摘。世界は「Unus Mundus(1つの世界)」であり、全ての部分が全体と相互関係であるため、シンクロニシティにしろ、ダーク・シンクロニシティにしろ、我々の知らない世界の真実の一端であるとしている。

 さて、今回ご紹介した8つのダーク・シンクロニシティは全くの偶然なのだろうか、それとも未知の法則の成せる業なのだろうか? 現時点で断言することはできないが、もしかしたら近い将来、科学的に解明される日が来るかもしれない。最大の候補は、量子力学の分野で研究されている、量子の奇妙な遠隔作用「量子もつれ」だろう。今後の研究に期待しよう。

参考:「Mysterious Universe」、ほか

 

※当記事は2017年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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