音楽の演奏中「ミュージシャンとリスナーは神経レベルでシンクロ」ライブの一体感はガチだった(脳科学)!
音楽はやはりライブが一番という見解には多くが賛同するのだろうが、それもそのはず、そこには脳神経科学レベルのメカニズムが作用していたのだ。
■ミュージシャンと聴衆の脳活動が一致
ステージとホールが一体化して盛り上がれるのはライブならではの醍醐味だが、この時、ミュージシャンと観客の脳波がシンクロしていることが最新の研究で報告されている。ライブの一体感は脳科学のレベルで起きている現象であったのだ。こうしたミュージシャンとの“シンクロ体験”によって、観客はその楽曲がますます好きになり、人気に拍車がかかるという。
では快く感じられる楽曲にはどんな秘密があるのか。これまでの研究では、ポピュラーソングのメロディや音質などが人間の脳に及ぼす影響については詳しく分析している。つまり“売れる曲”のメカニズムをひもといていく作業である。
しかし中国・華東師範大学をはじめとする研究チームが2020年3月に「NeuroImage」で発表した新たな研究では、楽曲ではなくミュージシャンと聴衆の関係にスポットライトを当てるものになった。楽曲の人気は曲そのものだけではなく、そのミュージシャンとの一体感も大きな要因になっているというのである。
研究チームは光を使用して脳の血流を観察できる近赤外分光法(Near-infrared spectroscopy、NIRS)によるスキャン技術によって、プロのバイオリニストに100秒間の短い音楽を12曲演奏してもらい、その際の脳活動をモニターした。そしてこれと同じ手法を使用して、録画されたこの演奏の再生映像を16人の視聴者に見てもらったのだ。
収集したデータを分析した結果、演奏者とリスナーの脳活動はすべての観察対象で一貫して合致している有意な傾向が見られた。つまり演奏中のバイオリニストと聴衆の脳活動がシンクロしていたのである。
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