認知症患者も音楽の記憶だけは失わないことが判明! 懐メロで記憶が劇的回復…!

 この曲を聴くとあの時のことを思い出す、という“懐メロ”が誰しもいくつかあるのではないだろうか。音楽に関連する記憶は実に強固に我々の脳に染みついていることが最新の研究で報告されている。なんと、認知症を発症しても音楽にまつわる記憶は消えていないというのだ。

■認知症患者の記憶を呼び覚ます“音楽の力”

 懐かしい記憶に結びついた曲もあれば、聴くとなぜか心地よくなるサウンドもある。

 どういうわけか聴き惚れてしまうサウンドは最近ではASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)と呼ばれていて、YouTubeなどでも多くの「ASMR動画」が投稿されている人気コンテンツだ。ASMRを聴く心地よい体験は“脳のオーガズム”であるとも言われているほどだ。

 また映画『ロッキー』のテーマ曲に代表されるような“アガる曲”や行進曲には、行動を促したり発奮させたりする力もある。朝の出勤前に決まった曲を目覚ましついでに聴く習慣を持つ人も少なくないだろう。

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「Big Think」の記事より

 このように人の感情に直接働きかける“音楽の力”は実にパワフルなのだが、最新の研究では音楽を聴いて活発になる脳の領域は、たとえアルツハイマー病を発症しても衰えないことが報告されている。

 米・ユタ大学の放射線学者、ジェフ・アンダーソン准教授が率いる研究チームが「The Journal of Prevention of Alzheimer’s Disease」で発表した研究では、高齢者のアルツハイマー病の治療と症状の緩和に音楽がきわめて有効に活用できるという指摘がなされている。

 研究チームはアルツハイマー型認知症の診断を受けた17人の患者を対象に、それぞれの好みの音楽を聴いている時の脳活動をfMRIでモニターする実験を行った。

 研究の結果、好みの音楽を聴いている時の実験参加者は、アルツハイマー病の初期段階では損傷が見られず、記憶に関わるとされている補足運動野(supplementary motor area)が活性化していることが突き止められたのだ。

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画像は「Wikipedia」より

 また、好ましい音楽からの刺激を受けることで、脳の皮質間と、皮質と小脳のネットワークの機能的結合性が広範囲にわたって増加し、脳機能が一時的に向上していることも判明した。そして研究チームはアルツハイマー病患者において、音楽が脳のネットワーク機能の改善に役立つと結論づけている。“音楽の力”は我々が考えている以上のポテンシャルを秘めているようだ。

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