寝不足の脳は“自分を食べる”と判明! 質の悪い睡眠は自己崩壊を招く…ダメージは想像以上だった!?

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画像は「Science Alert」より引用

 睡眠不足は集中力の低下や活力の低減を招くことが知られているが、さらに恐ろしい事実がこの度明らかになった。

 科学ニュースサイト「Science Alert」(3月2日付)によると、なんと睡眠不足に陥った脳は自分自身を“食べる”ことが分かったというのだ。

 体中にある細胞と同じく脳のニューロンも定期的に代謝している。これは脳脊髄中に存在するグリア細胞の1つ「アストロサイト」が古い細胞を掃除するために起こる。このプロセスは「食作用」と呼ばれており、通常、食作用は睡眠中に起こるものだが、睡眠不足によっても引き起こされることがイタリア・マルケ工科大学の研究で判明した。

 研究者らは、マウスを4つのグループに分けて実験を行った。

1、6~8時間の睡眠を取ったグループ

2、睡眠中に定期的に起こされたグループ

3、8時間余分に起きていたグループ

4、5日間寝ていないグループ

 これら4つのグループにおけるアストロサイトの活動を調べたところ、1のグループは5.7%、2のグループは7.3%の活動だったのに対し、3のグループでは8.4%、4のグループでは13.5%と高い数値を示した。睡眠不足が原因で活性化したアストロサイトは、重要なシナプスを食べ、接続を滞らせ、不要になったシナプスの残がいを残しやすくなるのだという。

 またグリア細胞の一種であるミクログリアも睡眠が不足している3と4のグループで活動が活発化していることが分かった。こうしたグリア細胞の活発化はアルツハイマーなどの神経変性疾患との関連が指摘されているため、脳が危険な状態にあると言える。

 マウスでの実験結果であるため、直接的に人間と結びつけるわけにはいかないが、睡眠不足が細胞レベルで脳に悪影響を与えている可能性は高そうだ。脳を健康に保つ上でも質の高い睡眠が何よりも大切だ。

 ちなみに、過剰な睡眠は睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、平均10時間以上の睡眠を取る人は早期死亡率が30%高いという先行研究もある。睡眠の取りすぎにも注意したい。

 

参考:「Science Alert」、ほか

TOCANA編集部

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