アルツハイマー病とは異なる認知症「LATE」が発見される! 25%以上が発症する可能性!

 これまではアルツハイマーだと診断されていた認知症の何割かが、実はまったく別の認知症であったことが判明して話題になっている。その新たに発覚した認知症は「LATE」と名づけられた。

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イメージ画像:「Gretty Images」

■アルツハイマー病に似ていながらも原因がまったく異なる“LATE”

 高齢になってからの認知機能低下の多くはアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)と診断される。アルツハイマー病の治療は難しく、個別的なケースによっては投薬がまったく効かない場合もあるが、それもそのはず、これまでアルツハイマー病と診断されてきたある割合の症状は、実は別種の認知症であることが最新の研究で報告されている。

 米・ラッシュ大学メディカルセンターをはじめとする合同研究チームが先日、脳科学系学術ジャーナル「Brain」で発表した研究では、新たに定義されるべき認知症である「LATE」の存在を指摘している。

「Limbic-predominant Age-related TDP-43 Encephalopathy」の略である新たな認知症、LATEはアルツハイマー病に似た症状でありながら、その原因がまったく異なるということだ。

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「Daily Mail」の記事より

 アルツハイマー病は脳の中にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積され始めることが原因の1つとされているのだが、このLATEの場合はβアミロイドではなく「TDP-43タンパク質」が脳内で蓄積することで発症するということである。したがってアルツハイマー病の治療法はこのLATEにはまったく通用しないことになる。

 このTDP-43タンパク質は脳の3つの領域(扁桃体、海馬、中前頭回)に蓄積していることが突き止められ、程度に応じて記憶障害や日常の行動への支障などが現れるという。そして研究チームは、今こそ高齢期の認知症はアルツハイマー病であるという固定観念を捨てる時であると指摘している。

「風邪の場合、200を超えるさまざまなウイルスがその原因となり得ます。ではなぜ認知症の場合はその原因が1つしかないと考えるのでしょうか」と研究チームのピーター・ネルソン医師は語る。

「LATEはおそらくアルツハイマー病とは異なる治療法が必要とされるため、そのことが過去に多くのアルツハイマー病治療薬が臨床試験で失敗した理由を説明するのに役立つかもしれません。今、科学界はLATEの存在を確認しているので、“どうやって”と“どうして”をさらに追求すれば、症状にふさわしい薬を開発することができます」(ピーター・ネルソン医師)

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