“開ければ世界の破滅が訪れる” 開かずの金庫「Vault B」に残される伝説とは…

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 開ければ世界の破滅が訪れるといわれているヒンドゥー寺院の“開かずの金庫”の封が解かれる日は来るのだろうか――。

■開ければ世界が破滅する“開かずの金庫”とは

 世界で最も裕福な宗教施設として広く知られ、5000年以上の歴史を持つインドのヒンドゥー教寺院「スリー・パドマナーバスワーミ寺院」には6つの古代の金庫部屋があり、そのうちの1つの金庫部屋の扉はやんごとなき理由で今も固く閉じられたままである。もし開けてしまったら何が起きるのか。地元ではこの金庫部屋を開ければ世界の破滅が訪れるという“伝説”が残されているようだ。

 この寺院の金庫部屋についてはインド最高裁判所が検査を命じ、法廷から任命されたチームがさっそく5つの部屋を開けることに成功し、絢爛豪華な金銀財宝の大量のコレクションが明らかになった。

 しかし「Vault B」として知られる6番目の金庫部屋は封印されたままであり、その内容について広く憶測が飛び交っている。歴史的記録によると、ここにはトラヴァンコール王の治世中に蓄積された莫大な富が収蔵されている。

 寺院の管理委員会は、超自然的な宗教的理由からこの最後の金庫部屋を開けることに断固として反対している。地元の伝説では、この金庫部屋を守る強力な神の守護者と巨大な蛇について語られており、その神秘性はさらに増している。

 特に興味深い記述の1つは「Vault B」とアラビア海とのつながりが示唆されていることだ。インド紙「タイムズ・オブ・インディア」によると、一部の寺院関係者は、以前に金庫部屋へのアクセスを試みた際に波が打ち寄せる音を聞いたと報告しており、隠された海路があるのではないかという憶測が広がっている。

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 しかし米誌「フォーブス」によれば、会計監査長官のヴィノッド・ライ氏は最高裁判所に矛盾した情報を提示し、「Vault B」は1990年以来少なくとも7回は何の問題もなく開けられていると述べたという。その話が本当なら収蔵された宝物はすでに何者かによって運び出されているのかもしれない。

 寺院の封印された金庫部屋は依然として人々の関心を集めており、その収蔵品は数兆ドルに達すると推定されている。管理委員会の超自然的な主張を懐疑的な人々もいるのだが、寺院当局は「Vault B」を封印し続けるという立場を維持しており、インドの豊かな文化遺産にさらに新たな魅力を加えている。

 法的に扉を開けることには全く問題がないというのに、ひとまずは調査が手控えられているのは、やはりどこかで“伝説”が恐れられているからであろうか。

 いつの日か「Vault B」の扉が開かれて内部の絢爛豪華な宝物の数々が明らかになることがあるのか気に留めておいてもよいのだろう。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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