中国の“ディストピア的”高層ビルが凄すぎる…！2万人が一歩も外に出ずに生活？

2024.12.02 11:30 編集部

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　中国・杭州の中心商業地区にそびえ立つ、リージェント・インターナショナル・アパートメント。高さ206メートル、延床面積26万平方メートルの巨大な集合住宅は、都市生活の自給自足を実現する大胆な試みとして、世界的な注目を集めている。人口密集地域における住宅の未来についての議論を巻き起こす、この建築物。果たして、ユートピアか、それともディストピアか―――。

ビルの中に街がある？リージェント・インターナショナル・アパートメントの驚くべき自給自足システム

　リージェント・インターナショナル・アパートメントは、「ミニチュア都市」と呼ぶにふさわしい、他に類を見ない居住空間である。

　通常の集合住宅とは異なり、ジム、スーパーマーケット、美容院、プール、複数の美容室など、様々な施設がビル内に併設されている。居住者は一歩も外に出ることなく、生活に必要なあらゆるサービスにアクセスできるのだ。広々としたバルコニー付きの部屋もあり、屋外で過ごすことも可能だ。まるでSF映画の世界のような暮らしである。

　部屋の価格は、提供されるサービスの幅広さを反映している。窓のないベーシックな部屋は月額約1,500人民元（約3万円）、バルコニー付きの広い部屋は約4,000人民元（約8万円）で借りることができる。杭州ネットワークメディアによると、ピーク時には3万人以上が居住していたという。しかし、2021年の報告書では、正式に登録された永住者はわずか1万人だった。これは、居住者の入れ替わりが激しいことを示唆しているのかもしれない。

都市生活の未来像？リージェント・インターナショナル・アパートメントが提示する可能性と課題

　大理石で覆われた廊下、多様な間取りの部屋など、洗練された内装デザインも魅力の一つだ。TikTokなどのSNSでは、豊富なアメニティを紹介する動画が拡散され、大きな話題を呼んでいる。

　開発元のブロード・グループは、都市交通の削減を目的としてリージェント・インターナショナル・アパートメントを設計した。居住者がビル内で必要なものをすべて手に入れられるため、1日あたり約2,000台の車の交通量を削減できると推定されている。これは、環境問題への取り組みとしても注目すべき点だろう。

　ターゲット層は、新卒者、若手専門職、インフルエンサー、中小企業のオーナーなど。サービスとアメニティが集中していることで、居住者はビル内だけで生活、仕事、社交を行うことができるユニークなエコシステムが形成されている。まるで一つの社会がそこにあるかのようだ。

　リージェント・インターナショナル・アパートメントのデザインは、現代都市生活の解決策について、様々な疑問を投げかけている。革新的な都市計画のアプローチとして賞賛する声もある一方、孤立した生活空間への懸念を示す声もある。いずれにせよ、人口密集した都市環境における建築ソリューションの発展において、リージェント・インターナショナル・アパートメントは重要なマイルストーンとなるだろう。

　リージェント・インターナショナル・アパートメントの影響は、居住者だけにとどまらない。世界中の都市計画家にとって、貴重なケーススタディとなるだろう。自給自足の包括的なアプローチは、人口密度を管理しながら、通勤の必要性を最小限に抑えることで環境への影響を軽減する方法についての貴重な洞察を提供する。人口増加と環境問題が深刻化する現代社会において、リージェント・インターナショナル・アパートメントのような試みは、持続可能な都市開発のモデルとなる可能性を秘めていると言えるだろう。