“フェイク聖書”には封印された真実がある!?「ヨベル書」隠されたノアの洪水の真実とは?

“フェイク聖書”には何が書かれているのか――。実はノアの大洪水のストーリーについて、正典よりも詳細かつ体系的に描写されているのだ。
■“フェイク聖書”の「ヨベル書」とは?
ほとんどのユダヤ教とキリスト教において偽典、つまり“フェイク聖書”として扱われているのがヘブライ聖書の書物のひとつである「ヨベル書(Book of Jubilees)」だが、Xユーザーのニック・ディ・ファビオ氏は「この本は、シナイ山でモーセに直接与えられた神の啓示なのだと主張しています。しかし、創世記とは異なり、モーセ自身によって書かれたものではありません」とXに投稿して約400万人が閲覧し共有した。
「モーセが聞いている間に、天使たちがその言葉を書き留めたとされています。この天からの直接的な著述は、宗教指導者の権威を脅かすものでした」(ファビオ氏)
「ヨベル書」は1950年代頃にエルサレムの東約24㎞にある死海の北西岸沿いの洞窟で発見されたものの教会からは偽典とされているが、ファビオ氏は「何世代にもわたって教会当局が信者から聖典を封印していた」と説明している。
「ヨベル書」の第1章では、神が天使に天地創造の完全な歴史をモーセのために書き留めるように命じた様子が描かれている。
「創世記」とは異なり、「ヨベル書」にはイブがエデンの園に連れて来られたのは天地創造の8日目であると記されている。ちなみに「創世記」ではイブの登場の具体的な時期は示されていない。
第5章では、天使が地上で多くの娘たちに魅了されたことで人間が増加し始め、その後に超自然的なテーマが物語に登場することになる。
「彼らは自分たちの選んだ者を妻にめとり、息子たちを産んだが、彼らは巨人であった」
伝統的な「創世記」では、神が地球を大洪水に見舞ったのは人間の邪悪さのためだとされているが、「ヨベル書」では堕天使とその巨人の子孫たちの堕落のせいだとされている。人食いや犯罪など、巨人とその子孫がもたらした暴力と堕落が地球上での悪の蔓延につながったというのである。
「そして地上には不法がはびこり、肉なるものはすべてその道を乱した。人間も家畜も獣も鳥も、地上を歩くすべてのものも、みなその道と掟を乱し、互いに食い合うようになった。こうして地上には不法がはびこり、すべての人の思い、あらゆる思いは、このように常に邪悪なものとなった」(ヨベル書)

「ヨベル書」は「創世記」と同じく、神はノアが方舟を造ったのを見届けるまで、大洪水で地球を滅ぼす計画を立てていたと主張している。
「そして主は、彼らの行いの邪悪さと、彼らが地上で流した血のゆえに、すべてを地面から滅ぼされた」(ヨベル書)
大洪水は地球上のすべての生命を絶滅させることを目的としていたのだが、「ヨベル書」によれば巨人は悪霊に変身し、ノアの息子たちを惑わしたという。
「ヨベル書」ではその後、神は天使たちに悪霊を捕らえて投獄するように命じるが、同時に、人間を誘惑し堕落させるために一部の悪霊を地球に残すよう要求するサタンの名前も挙げられている。
神は悪霊の90%を投獄したが、残りの悪霊は人々を試し、惑わすためにサタンの支配下に留まることを許されているという。
10%残された悪霊たちは今もこの地上で命脈を保ち、人々を惑わしているのだろうか。そして今も我々は時に悪霊たちによって信仰心と人間性を試されているのだとすれば“フェイク聖書”でありながらもなかなか含蓄に富んだストーリーであるのかもしれない。
参考:「Daily Mail」ほか
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