エデンの園と人類の起源 ― 科学者が探る“アダムとイブが実在した可能性”
聖書的に地球上の最初の男女であるアダムとイブは実在したのか――。驚くべきことに一部の科学者たちはアダムとイブの物語には真実の要素がいくぶん含まれている可能性があると示唆している。
■アダムとイブが実在した科学的根拠
キリスト教的にはすべての人類の“オリジン”であるアダムとイブは美しく豊穣なエデンの園と呼ばれる場所に住んでいたとされている。ではエデンの園はどこにあったのか。
旧約聖書「創世記」では、エデンの園を流れる川はピション川、ギホン川、チグリス川、ユーフラテス川の4つの支流に分かれていると記されている。
このうちチグリス川とユーフラテス川はよく知られており、現代のイラクを今も流れている。しかしギホン川とピション川はまだ存在しているとしてもどこにあるのか不明である。
ジョージ・ワシントン大学の聖書考古学者であるエリック・クライン教授は著書『From Eden to Exile(エデンからの追放)』の中でメソポタミア文明や古代エジプト文明が栄えた「肥沃な三日月地帯(Fertile Crescent)」にエデンの園があったことを示唆している。
チグリス川とユーフラテス川をさかのぼりシリアを経て西はパレスチナ、エジプトに至る半円形の地帯である「肥沃な三日月地帯」は、紀元前4千年紀に灌漑が発明されて以来、地元住民にとって農業の“楽園”のような場所であった可能性があるという。
古代シュメール人もキリスト教の創世神話と非常によく似た神話を共有しているのだが、その神話においても「肥沃な三日月地帯」に人類の最初の男女がいたことが暗示されているという。
ではアダムとイブが実在したとして、それが唯一のカップルだったのだろうか。
ヒューストン・クリスチャン大学の哲学者、ウィリアム・レーン・クレイグ教授は、アダムがすべての人類の共通祖先であるならば、アダムは最初の人類種の一員でなければならないと主張している。したがって、彼はアダムとイブがホモ・サピエンスとネアンデルタール人の最後の共通祖先であるホモ・ハイデルベルゲンシスの一員であり、75万年前から100万年前に生きていたと結論付けている。
ホモ・ハイデルベルゲンシスのアダムとイブが我々の“オリジン”であるという主張は不可能ではないが確固たる証拠はあまり提示されていない。
ホモ・ハイデルベルゲンシスの化石はドイツや南アフリカや東アフリカなどで発見されているのだが、もしアダムとイブだとすれば「肥沃な三日月地帯」に来ていたとするのは大いに疑問が残る。
さらにアダムとイブがホモ・サピエンスでなかったことを認めれば、保守的なキリスト教思想家たちを動揺させることにもなりかねない。
しかしそれでも現在の人類学的において、アダムとイブという最初のカップルが実在し得る可能性が残されているというのは驚くべきことであるかもしれない。
参考:「Daily Mail」ほか
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2024.10.02 20:00心霊エデンの園と人類の起源 ― 科学者が探る“アダムとイブが実在した可能性”のページです。聖書、人類、イブ、創世記、アダム、エデンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで