有名温泉地で現れた血塗れの“何か”、「大量の手」が出るいわく付きのトンネル…タクシー運転手が激白

 日本全国で20万台超とも言われるタクシー。今日も誰かの生活を支えるために、有名無名、数多の人々を乗せて運ぶタクシー運転手は、ときに人ならざるものを乗せることもある。古来より「人力車/荷馬車に載せた乗客が消えた」という話は枚挙にいとまがない。

 今回、偶然乗ったタクシーの運転手・Uさんから話を伺うことができた。Uさんは30代女性である。彼女の身に何が起きたのか……? ――宗教・オカルトの専門家・神ノ國ヲが突撃取材!

Hong daewoongによるPixabayからの画像

――怖い話、不思議な経験はありますか?

Uさん:タクシー絡みではないんですが……。以前、若い頃に一年ほど石川県のあるホテルで働いていたことがあって。その職場の寮が「出る」ってことで有名だったんです。

――妖怪とか座敷童子とかが「出る」ってことですか?

Uさん:いえ、座敷童子ではなくて。霊が出たり、怪奇現象があったり。私は入寮3日目で金縛りにあいました。血だらけの何かが上にいて、声を発しているのは分かるんですけど、何て言っているのかは分からなくて。怖くて怖くてどうしていいのかな……と思って、「うううーっっ」と力を振り絞ると「んん~」と聴こえて、ふっと軽くなったんです。

 でも金縛りは解けても、そのあたりにまだ何かいるんじゃないかと思うと、しばらく動けなかったんです。やっと意を決して起き上がってみると、血のりも髪の毛も落ちてないんです……。風呂なし四畳半、格安だったんですけど、安いには理由があったってことですよね……。あまりに怖いので、その寮は3日で出て、部屋を借りました。

――ガチの心霊体験ですね……。

Uさん:私はこれだけでしたけど、先輩たちや同僚の間では有名な話みたいで。他の女性では、金縛りに遭うだけでなく誰もいないのに怒鳴る声が聞こえた、とか。また男性では、首のない鎧をまとった落ち武者が出たとか。

 その他には、当時の彼氏の友人にアキナ(仮名)って霊感の強い人がいて、みんなで肝試しにいこうって有名なトンネルに行ったんです。新しいトンネルのすぐ横に古いトンネルがある場所です。そこにいくとアキナが「うわ! 外に人がたくさんいる!」って騒ぐんです。みなも驚いて、とりあえず確かめてみようと外に出たら、車には手形が数えきれないくらいついてて……。それだけなんですけど、ゾッとしました……。場所は分かるんですが、いま説明できないんですけども……。

――他には何か怪奇現象などの経験はありますか?

Uさん:霊感は全然ないし、宗教も信じていないんですが、両親が気功を使えました。「手かざしで治療する」宗教みたいのをやっていて、生命力を測ったり、どこか痛みのあるところを癒したり。子供のころ「お母さん、具合わるい」というと、手をかざしてくれて、するとじんわり来て、気持ちよくなってきて寝ちゃうんです。その間に治ってる。でも普段はやってくれませんでした。気功を使う側もすごく体力消耗するらしくて。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

――Uさんは、そういう家系ですか?

Uさん:いえ、家系ではなくて、その宗教の修行だと思います。さらに「心がきれいでないと使えないから、あんたらには無理」って言われちゃいましたよ(笑)

 取材後、Uさんの話の裏を取るために調べてみると、驚愕の事実が浮かび上がってきた。まず石川県にあるという宿泊施設は確かに存在する。

 そして、Uさんとアキナさんが訪れたと思われるトンネルの候補地も二つに絞ることができた。

 一方は、「丸岡・山中温泉トンネル」である。福井県と石川県の県境・大内峠を貫くこのトンネルでは、開通当初より土砂崩れが頻発したという。結果、新たにトンネルを隣接せざるを得なかった。また「大内隧道」という古いトンネルもある。

 他方は、北陸本線旧線「山中隧道」である。こちらは心霊スポットとして有名であり、同時に廃線ファンなどに広く知られた場所である。「赤い服の女」「老人の霊」の目撃例が絶えない。

 また気功を使うというUさんのご両親が所属していた宗教とは何だったのか。こちらも、おそらく

新興宗教Xだと思われる。人の体に両手をかざし患部の痛みを取るハンドパワーを喧伝した。入会時に多額の寄付金を求めたことなどで社会問題化し、訴訟沙汰となり、解散したが、いまも名前を変えて活動している。

 20代後半にも見えるUさんの姿は、もしかすると気功のせいもあるのかも知れない。偶然乗り合わせた乗客に対し、快く取材に応じてくれたUさんは、目的地に到着すると快活な笑顔で挨拶をしてくれた。Uさんが石川県で経験した怪奇現象、彼女の両親が持っていた気功の力は、やはり本物だったのか。人知れず蠢く何かの存在が世の中にはまだまだあるのだ、と思えてならない。

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

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文=神ノ國ヲ

学術論文からオカルト記事まで。
京都大学の博士課程に所属中。
Twitter:@kmnknw

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