本当は怖い「日本の節分」!絶対に後ろを振り返ってはいけない!?

本当は怖い「日本の節分」!絶対に後ろを振り返ってはいけない!?の画像1
イメージ画像 Created with DALL·E

 2025年は例年と異なり、2月2日が節分だ。節分は二十四節気の一つ、立春の前日に当たるが、地球の公転周期は365日より6時間ほど多いため、その日は年によって変動することになる。今年の立春は2月3日に当たり、それに伴い例年から1日前倒しされたのである。

 さて、今日の日本では節分の日、豆まきや恵方巻といった行事が広く行われるが、地方によってはさらにユニークな風習があるという。さらにその背景を調べてみると、興味深い歴史や恐ろしい伝説が隠されていることも珍しくない。

 節分に豆をまいて鬼を払うという習慣は、何と900年前から続いているとされる説もあるという。皇室で行われていた「追儺」(ついな)という邪気払いの儀式が由来で、中国にゆかりがあるともいわれている。

 豆をまく以外の風習として広がっているのは恵方巻だ。その年の恵方を向いて巻き寿司丸ごとを頬張り、一言も発さずに黙々と食べるというこの習慣は、もともと関西、特に大阪で行われていた習慣とされている。由来には諸説あるが、色街の遊女たちに男性器に見立てた太巻きを食べさせる卑猥な遊びが元になったという説もある。そんないわくつきの風習も、1990年後半、コンビニ各社が恵方巻きを扱うようになったことから今や全国区となった。

 一方、日本各地を見渡せば、まだまだ節分に際して行われる地域限定の習わしも残っている。

 西日本一帯で今も受け継がれているのが「柊鰯」(ひいらぎいわし)だ。柊の葉がついた枝と焼いた鰯の頭をさした櫛を束ねたものを玄関や勝手口に打ち付け、柊の葉の棘と鰯の臭いで鬼を追い払うというものだ。

 柊鰯をはじめ、節分にユニークな風習が数多く残っているのが四国だ。「金玉の砂下ろし」もそうだ。名前こそたいそうだが、節分にこんにゃくを食べることを指している。かつて当地では、泥にまみれた農作業をしていると睾丸に砂が溜まると信じられており、それを節分にこんにゃくを食べることで排出しようというのが由来だ。

本当は怖い「日本の節分」!絶対に後ろを振り返ってはいけない!?の画像2
葛飾北斎画:『北斎漫画』 『節分の鬼』豆撒き 画像は「Wikipedia」より

 愛媛県や高知県のいくつかの地域には、夜中に交差点に豆を誰にも見られずに置いて帰ってくるという、丑の刻参りをほうふつとさせるような風習が残っている。松山市出身の女性(39歳)は話す。

「誰にも見られないという条件のほかに、他の人が豆を置いているのも見てはいけないとも教わりました。そして肝心なのは、豆を置いて戻る際に、絶対に振り返ってはいけないということ。『振り返ったら鬼の世界に連れていかれる』という祖母の言葉に怯え、子供時代は全力ダッシュして家に帰っていました」

 沖縄では節分に豆をまくのではなく、月桃の葉で巻いた餅を食べ、またその餅の煮汁を家の周囲に巻いて鬼を払うという習慣がある。そして面白いのはその理由だ。

 その昔、鬼と化した男が動物や人間の子供をさらって食べていた。これを憂いた男の妹は、瓦を混ぜた餅を作って男にたらふく食べさせ、さらに自らの性器を見せながら「上の口は餅食う口! 下の口は鬼を食う口!」と言って崖から蹴落として退治した。この伝説が、沖縄で節分に餅を食べられるようになった由来だとか……。

 広島県旧高田郡出身の50代の男性も、子供時代に節分に豆をまいたことがなかったという。

「うちの家は、代々の言いつけで節分の豆まきを禁じられていました。むかし、一族の先祖が節分に鬼に出くわし、豆をまかないように懇願されたという言い伝えが残っているからです。小学校での豆まき行事も、私は見学でした。同様に、私のほかにも2人ほど豆まきに参加しない児童がいたのを覚えているので、うちの家ではなく集落の風習だったのかもしれませんが、真相を知る人はもういません」

 京都の花街で、江戸時代から明治・大正あたりまで行われていた風習に「節分お化け」がある。お化けといってもそれはオカルトの類ではなく、今でいうところの仮装パーティだ。芸妓が男装をしたり、遣り手婆が芸妓の格好をしたりいたらしい。鬼を化かし、厄祓いをするという意味では、ハロウィンとも通じるものがある。

本当は怖い「日本の節分」!絶対に後ろを振り返ってはいけない!?の画像3
イメージ画像 Created with DALL·E

 その後、昭和に入ってすたれた節分お化けだが、今、全国の夜の街で復活している。仮装をするのは芸妓ではなくキャバ嬢やホステスたちだが、これがとても“怖い”という。大阪在住の男性(45歳)は話す。

「北新地でも毎年2月3日の夜には節分お化けが行われ、新地本通りを仮装したいろんな店の女の子が練り歩くんです。でもこれを軽い気持ちで見に行ってはいけない。女の子は練り歩きながら、自分の客が来ていないか、ちゃんと確認しているんです。なじみの店がいくつもある私は、イベント終了後には複数の女の子から営業LINEが来まくって、店を数軒ハシゴしなければならなくなる。毎年大散財ですよ」

 クリスマスや正月などの冬のイベントと比べ、地味な印象が否めない節分だが、最も一般的な豆をまくという風習ひとつを取っても、世界的にみると奇祭といっていい行事であり、無形文化遺産と言っても過言ではない。今年の節分は例年よりも張り切って「鬼は外、福は内」と声をあげてみてはどうだろうか。

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

関連キーワード:, , ,
TOCANA編集部

TOCANA/トカナ|UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

本当は怖い「日本の節分」!絶対に後ろを振り返ってはいけない!?のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング更新