【謎の金属球】「ベッツ・ミステリー・スフィア」とは?意思を持つ球なのか…50年にわたる未解決の謎

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画像は「Wikipedia」より

 世界には数多くの未解決の謎が存在するが、その中でも「ベッツ・ミステリー・スフィア」は、異様な動きを示す謎の球体として長年にわたり注目を集めてきた。1974年、アメリカ・フロリダ州で発見されたこの球体は、ただの金属製の物体に見えながらも、重力を無視したような動きを見せ、音に反応し、さらには意志を持っているかのような振る舞いを示したのだ。半世紀近くが経過した今も、この奇妙なスフィアの正体は解明されていない。

発見:ありふれたはずの球体

 1974年3月、フロリダ州フォート・ジョージ島でベッツ一家が自宅の敷地を調査していたところ、焼け跡の中に銀色に輝く金属製の球体を発見した。直径約20センチ、表面は滑らかで継ぎ目がなく、異様に精巧な作りだった。当初は大砲の弾か何かだろうと考えたが、持ち上げると想像以上に重く、ただの鉄球とは思えないほど密度が高かったという。

 ベッツ一家はこの不思議な球体を自宅に持ち帰ったが、そこで奇妙な現象が起こり始めた。

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画像は「Anomalien.com」より

意志を持つ球体?

 最初の数日間、球体は何の変哲もないオブジェのように静かに置かれていた。しかし、ある日、息子のテリー・ベッツがギターを弾いていたところ、球体が共鳴するように振動し始めたのだ。さらに、テーブルの上に置くと、まるで自分で動いているかのように転がり、境界を超えずに留まるという不思議な挙動を見せた。

 さらなる実験では、球体を床に転がしても、不規則に方向を変えたり、まるで何かの意志があるかのように元の位置に戻ってくることが確認された。この奇妙な現象により、ベッツ一家は科学的な検証を求めることとなった。

科学調査と政府の関与

 ベッツ・ミステリー・スフィアの噂は瞬く間に広まり、科学者や政府機関が関心を示した。ラジオ番組のホストであり、超常現象に関心のあるロン・キベット氏が球体を見て「地球外の知的生命体によって作られた可能性がある」と主張。さらに、アメリカ海軍がこの球体の調査に乗り出した。

 海軍はメイポート海軍基地でX線検査を行ったが、金属の密度が高すぎて内部構造を詳細に確認することができなかった。それでも追加調査により、球体は厚さ約1.3センチのステンレス合金431でできた中空構造であることが判明。この合金は一般的な工業製品や航空宇宙用途に使われるものだったが、その動きの仕組みについては一切解明されなかった。

 軍は「軍事機密ではなく、放射能や爆発物の危険性もない」と結論付け、球体をベッツ家に返却した。しかし、この説明は一般の関心を抑えるどころか、さらなる憶測を呼ぶことになった。

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画像は「Anomalien.com」より

UFO説と懐疑論

 有名な天文学者であり、アメリカ空軍のUFO調査プロジェクト「ブルーブック計画」に関与したJ・アレン・ハイネック氏も球体を調査した。しかし、彼はこれを地球外の物体と認めることなく、「単なる人造物」との見解を示した。

 一方で、UFO愛好家の間では、「ベッツ・ミステリー・スフィアは異星人の探査機だったのではないか」という説が根強く語られた。また、「政府が秘密裏に開発した軍事技術の一部で、誤って民間に流出したものだったのでは?」という陰謀論も浮上した。

 懐疑的な立場をとる研究者の中には、「ベッツ・ミステリー・スフィアは、産業用途のボールチェックバルブ(流体制御用の部品)にすぎない」と主張する者もいる。2012年にはポッドキャスト「Skeptoid」がこの説を掘り下げ、同時期にベッツ・ミステリー・スフィアと類似したステンレス製の球体が製造されていたことを示唆した。

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1974年の報道 画像は「Anomalien.com」より

ベッツ・ミステリー・スフィアの行方

 謎めいた球体はその後どうなったのか?

 ベッツ一家は、この騒動に疲れ果て、次第に球体についての発言を控えるようになった。そして、ある時点から球体は完全に姿を消した。

 球体の所在については様々な憶測が飛び交っている。政府機関によって回収された、または富裕層のコレクターに買い取られたという説があるが、公式な記録は残っていない。そのため、今日に至るまで「ベッツ・ミステリー・スフィアはどこに消えたのか?」という疑問が解決されることはなかった。

 50年が経過しても、ベッツ・ミステリー・スフィアの謎は解明されていない。一部の研究者は「過剰に誇張された都市伝説にすぎない」と結論付けるが、球体の不可解な動きや音への反応を考慮すると、完全に説明するのは難しい。

 果たして、ベッツ・ミステリー・スフィアは単なる産業廃棄物だったのか、それとも未知のテクノロジーが関与していたのか。真実が明らかになる日は来るのだろうか。

参考:Anomalien.com、ほか

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