メッタ刺しに快楽を覚えたイギリス最凶の女とは? 共感ゼロのサイコパス&異常性癖と診断、史上3人目の終身刑女性に

 娯楽のために人を殺した女が今も服役中である。“イギリスで最も危険な女”と呼ばれる殺人鬼はサディスティックなサイコパスと診断された――。

3人の男性を殺害し、2人の男性を路上で刺した女

 数あるクライムスト―リーの中には冷血で残酷なサイコパスの殺人犯が登場するが、あまり知られていない“イギリスで最も危険な女”がサディストでサイコパスの殺人鬼、ジョアンナ・デネヒーだ。

 1982年生まれのジョアンナ・デネヒーは 2013年に10日間の間に3人の男性を殺害し、側溝に1人の遺体を投棄した。この事件はイングランドのピーターバラで起きたことから「ピーターバラ側溝殺人事件(Peterborough ditch murders)」と呼ばれた。

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「LAD Bible」の記事より

 デネヒーが殺した3人とは、知り合ってまだ数日のポーランド国籍のルーカス・スラボウスキー氏、当時同居していたジョン・チャップマン氏、借家の大家ですでに性的関係を持っていた男性、ケビン・リー氏である。3人はいずれもデネヒーから性的に誘惑され、部屋で2人きりになったところをナイフで刺されて殺害された。

 2013年3月19日にスラボウスキー氏が殺害され、3月29日にチャップマン氏とリー氏が殺害された。ケビン・リー氏の遺体にはスパンコールのドレスが着せられ、街路の側溝に放り込まれていた。

 犯行はこれに留まらず、逃走を図る途中で犬を散歩させていた見ず知らずの男性2人に襲いかかりナイフで殺害を試みたのだ。2人の男性は共にナイフで刺されたが、幸いにもどちらも一命を取り留めた。

 3人殺害し、2人を殺そうして刺したのはデネヒーにほかならなかったが、彼女と遺体を車に乗せて運ぶなどの協力を行ったゲイリー・リチャーズという男がいた。

 遺体発見からただちに警察は殺人犯の全国的な捜索を開始し、CCTVの映像を使用してデネヒーの動きを追跡した。

 デネヒーらは最後の殺人未遂から2日間逃げ回ったが、警察の捜査網に追い詰められて逮捕された。

 彼女に判決を下したスペンサー判事はデネヒーに「あなたは残酷で、計算高く、利己的で、操作的な連続殺人犯です」と人物評価をしている。

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「LAD Bible」の記事より

イギリスで終身刑を課された3人目の女性

 デネヒーの知人であるロイドは、デネヒーが「ボニーとクライド」のようになるために合計で9人の男を殺す計画を立てていたと証言した。そしてデネヒーは“娯楽”の目的で男性を刺し、最初の殺人の後に充足感を得て、殺人を楽しんでいたことが裁判で浮き彫りになった。

 2013年11月、デネヒーは3件の殺人とさらに2件の殺人未遂についての有罪を認めた。その後の精神科医の診断によってデネヒーはサイコパス性反社会性パーソナリティ障害とパラフィリア(性嗜好異常)・サドマゾヒズムと診断された。

 パラフィリアはフェティシズムに代表される一般的な不可解な性的嗜好であり、加えてサイコパスであるとの診断も下っていることから、デネヒーは自分が犯した殺人にまったく良心の呵責や悔悛の情を感じてはいないように思われる。

 2014年2月28日、ロンドンのオールドベイリー(中央刑事裁判所)で、デネヒーは終身刑を言い渡された。デネヒーはマイラ・ヒンドリーとローズマリー・ウェストに続いて、イギリスで終身刑を課された3人目の女性となった。

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「LAD Bible」の記事より

 裁判前に拘留中にデネヒーは刑務官を殺害または重傷を負わせ脱走する計画を企てていたことが発覚した。計画では刑務官の指の1本を切り落とし、その指を使って刑務所内の生体認証システムを突破することが含まれていたのだ。

 このためデネヒーは裁判手続き後の2015年9月までは独房に入れられていた。そしてこの期間中に何度か自傷行為を行っている。

 デネヒーは残りの人生を刑務所で過ごすように命じられ、現在はHMPブロンズフィールド刑務所で服役中である。

 刑務所内で知り合い現在釈放されているヘイリー・パーマーとデネヒーは婚約関係を結び、同じタイミングで自殺して心中する自殺協定(suicide pact)を試みたのだが、どちらも死にきれず不成功に終わっている。

 まだまだデネヒーの服役は長く続くと思われるが、この後もこのサイコパスで“イギリスで最も危険な女”に新たなストーリーが加わることがあるのだろうか。

参考:「LAD Bible」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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