次に来るのは“太陽の黙示録”か… 科学が警告するスーパー太陽嵐は文明崩壊の引き金になるのか

1000年以上前に発生していた“スーパー太陽嵐”がもしも今起こったとしたら――。専門家は社会インフラの壊滅的な被害をもたらすだろうと警告を発している。
■“スーパー太陽嵐”が起きたらどうなる?
太陽で非常にきわめて大規模な太陽フレアが発生した際に放出される太陽風(solar storm)には電磁波、粒子線などが含まれており地球上や人工衛星等に甚大な被害をもたらすことが想定されている。
記録に残る最大の太陽嵐、1859年に発生した「キャリントン・イベント」では、イギリスの天文学者リチャード・クリストファー・キャリントンが、太陽表面で発生した巨大フレアを史上初めて観測したのだが、数週間にわたり赤道付近までの広域でオーロラが観測され、日中にも見えたといわれている。
そしてこの「キャリントン・イベント」の5倍の規模であったと考えられている太陽嵐が西暦774年から775年の間に発生していた。
2012年、名古屋大学の研究チームは樹木年輪を調査することで、1250年前に巨大太陽嵐が発生していたことを突き止め、研究者の三宅芙沙氏の名前にちなんで“三宅イベント”と呼ばれることになった。
もし今日、この三宅イベント級の太陽嵐が起こったらどうなるのか。
もしこのクラスの太陽嵐が起きた場合、科学者たちはエネルギー変圧器が焼け、金融市場が崩壊し、さらには恐ろしい航空通信障害を引き起こすだろうと説明する。
英レディング大学の宇宙物理学教授、マシュー・オーエンズ氏は英紙「Daily Mail」オンライン版に対し、三宅イベントが再び発生すれば地球に大混乱を引き起こす可能性があると語った。
「宇宙物理学者にとっては刺激的なことですが、電力網の運用者にとっては心配なことです。もし再び三宅イベントのような災害が起きたら、変圧器が焼損し、広範囲で停電が起きるでししょう」(オーエンズ氏)
電力網を復旧させるのに数カ月を要し、冷蔵庫や冷凍庫内の食品はすぐに腐り始め、電力を必要とする水道インフラも停止することになる。ガソリンスタンドではノズルが作動せずに車に給油することもできない。
旅客機で高度上空を飛行する人員と旅客はより多くの放射線を浴びる可能性が高く、長期的にはオゾン層も被害を受ける可能性がある。三宅イベントでは地球のオゾン層が約8.5%減少した可能性もあるということだ。

そして通信インフラへの深刻な被害で多大の損害が生み出される。
「これまで観測されたものより桁違いに強力な太陽陽子現象は、海底ケーブルや衛星に損害を与え、長期間の停電を引き起こす“インターネット大惨事”を引き起こす可能性があります」(オーエンズ氏)
航空通信システムが機能しなくとなる航空業界に深刻な混乱を招き、ニューヨーク証券取引所などの金融市場が崩壊に導かれる。
太陽嵐で唯一楽しめるのはオーロラが各地で出現することだというが、事態はオーロラを観賞をしているどころの話ではない。
三宅イベント級の太陽嵐はいつ起きてもおかしくないだけに、災害への備えが我々全員に求められていることは間違いない。そしてコンピューターシステムに頼り切っている現在の社会を見直すことも必要になってくるのだろう。
参考:「Daily Mail」ほか
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