古代アヌンナキの謎「宇宙から来た爬虫類神」だったのか?神話の共通点と不可解なアイテム

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画像は「Wikipedia」より

 古代メソポタミア、特にシュメール文明が語り継ぐ神々、アヌンナキ。彼らはしばしば人類の創造主や天からの来訪者として描かれる。しかし、その姿には多くの謎が残されており、特にその身体的特徴を巡っては、驚くべき説が囁かれている。それは、アヌンナキが我々が知る人間とは異なる、爬虫類に似た特徴を持つ存在だったのではないか、というものだ。

 世界各地に残る古代の描写において、アヌンナキは概して人型で表現される。しかし、詳しく見ると、そこには人間との明確な違いを思わせる要素が散見される。例えば、彼らの顔は豊かな髭で覆われ、詳細な特徴は隠されていることが多い。人間と似ている部分もある一方で、どこか違和感を覚える描写も少なくないのだ。こうした点から、多くの研究者がアヌンナキと爬虫類型(レプティリアン)の存在との間に繋がりがあるのではないかと考えている。

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画像は「The Ancient Code」より

シュメールの遺物が示す「異形」の姿

 興味深いことに、古代メソポタミアでアヌンナキを表すのに使われた言葉の一つに「SIR」がある。これは「ドラゴン」あるいは「大きな蛇」を意味するという。蛇やドラゴンが持つ象徴性を超えて、アヌンナキの爬虫類的起源を示唆する具体的な物証はあるのだろうか。

 その鍵を握るかもしれない発見があったのは、現代のイラク、ザグロス山脈にあるジャルモ遺跡だ。ここで発掘された約2000年前に消滅したとされる新石器時代初期の集落跡からは、数千もの謎めいた遺物やシュメールの神々の像が出土した。その中に、「豊穣の女神」とされる多数の像があったのだが、その姿は奇妙な特徴を持っていた。体は人間型であるものの、頭部は明らかに人間のものではなく、動物的な特徴、特にトカゲのような細長い顔、引き伸ばされた頭蓋骨、そして大きな楕円形の目を持っていたのだ。これは男性像、女性像ともに共通する特徴だった。

世界に広がる「爬虫類型神話」との共通点

 爬虫類に似た存在への言及はシュメール文明に限った話ではない。驚くほど類似した描写や物語が、世界各地の古代文化に見られるのだ。

 例えば南米のマヤ文明における「ククルカン」や、アステカ文明の「ケツァルコアトル」。これらの神々は、その名が示す通り「羽毛の生えた蛇」として描かれ、創造神として崇拝されていた。これは空を飛ぶ爬虫類、すなわちドラゴンのような存在といえるだろう。

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ククルカンの復元された2D肖像画 Image by Lucas J. Goodwin, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
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ケツァルコアトル 画像は「Wikipedia」より

 イスラム教の聖典コーランにも、「ジン」と呼ばれる謎めいた存在が登場する。ジンは人間よりも先に地球に存在したとされ、その指導者イブリスは神に背いた罰として、エデンの園の蛇のように地上に縛り付けられたと伝えられている。

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画像は「Wikipedia」より

 北米のホピ族の伝説には、地下に築かれた3つの都市と、約5000年前に隕石の衝突から逃れるために地下へ避難した「トカゲ人間」が登場する。彼らは岩をも溶かす高度な技術で、ロサンゼルスの地下に広大なトンネル網を築いたという。

 インドのベナレスには、「シェシュナの井戸」と呼ばれる場所があり、ヒンドゥー教の伝説によれば、そこは「ナーガ」と呼ばれる半神半人の蛇族が住む地下都市パタラへの入り口だとされる。ナーガの都市は偉大な力の源であり、聖なる者だけが接触できたという。

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インドの細密画に描かれたナーガ 画像は「Wikipedia」より

 歴史的には交流がなかったはずの、これほど多くの異なる文化圏で、なぜこれほど似通った「爬虫類型」の存在に関する伝承が共有されているのだろうか。これらの伝説は全て同一の存在、すなわち古代のアヌンナキを描写している可能性はないだろうか?

アヌンナキ像に見る不可解なアイテムとその意味

 シュメールの遺物に描かれたアヌンナキの姿には、さらに不可解な特徴が見られる。1976年、作家ゼカリア・シッチンは、「地球年代記」シリーズの中でシュメールの粘土板を独自に解読し、アヌンナキは故郷の星に必要な金を採掘するために地球へやって来た異星人である、という説を発表した。この説の真偽はともかく、アヌンナキ像にはいくつかの共通した謎めいたアイテムが描かれている。

■カドゥケウスの杖の蛇

 古代バビロンではアヌンナキを表す言葉が「ドラゴン/大蛇」を意味したことは先に述べた。特に、アヌンナキの神エンキは「蛇の同胞団」に属していたとされ、そのシンボルはカドゥケウスの杖に絡みつく二匹の蛇だった。これは現代の医療のシンボルでもあるが、古代においてはアヌンナキの爬虫類的性質、人間のDNAとの関連(遺伝子操作?)、あるいは蛇が象徴する知識や霊的な知恵を示唆していたのかもしれない。

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画像は「Wikipedia」より

■謎の「バッグ」

 アヌンナキ像の多くが、奇妙な「バッグ」のようなものを手にしている。シッチンらは、これを「生命の水」を入れた容器、あるいは遺伝子実験に用いた移動式の「遺伝子バンク」のようなものではないかと推測している。

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画像は「Anomalien」より

■腕時計風の「ブレスレット」

 彼らの手首には、現代の腕時計によく似た装飾品が見られることが多い。単なるブレスレットと解釈されることもあるが、より高度な機能を持つ装置だったのではないかと考える研究者もいる。

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画像は「The Ancient Code」より

■松ぼっくりのような物体

 多くのアヌンナキ像は、右手に「松ぼっくり」のようなものを持っている。一部の研究者、例えばデイヴィッド・ウィルコックらは、これが人間の脳にある「松果体」を象徴していると主張する。アヌンナキは松果体の潜在能力を引き出し、最大限に活用する方法を知っていたのではないか、というのだ。

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

アヌンナキの実像は謎の彼方に

 古代シュメールの神々、アヌンナキに関する情報は限られており、その多くは論争の的となっている。しかし、世界各地に残された神話や遺物には、無視できない共通点や不可解な特徴が存在するのも事実だ。彼らは本当に爬虫類のような姿をしていたのか? 謎のアイテムは何を意味するのか? アヌンナキの実像は、いまだ歴史の霧の中に隠されているが、その探求は、人類の起源や古代文明の謎を解き明かす鍵となるかもしれない。数千年の時を超え、彼らは今もどこかで我々を見つめているのだろうか?

参考:The Ancient Code、ほか

文=青山蒼

1987年生まれ。都市伝説マニア。

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