UFOか、新型ドローンか!? 国境上空、F-16戦闘機を襲った「見えざる敵」の恐怖

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 アメリカ・アリゾナ州の上空で、米軍のF-16戦闘機が「UAP(未確認航空現象)」と衝突し損傷するという衝撃的な出来事が発生したという。UFO(未確認飛行物体)ではくUAP。この呼称の違いは何を意味するのか? アリゾナ州南部、メキシコ国境付近での奇妙な飛行物体の目撃情報が急増する中、新たな憶測が飛び交っている。

アリゾナ上空の不審な影:UFOか、それとも…

 連邦航空局(FAA)の文書によると、この地域では「多数の遭遇事例」が確認されており、その一つが-16戦闘機のキャノピー(操縦席を覆う風防)に衝突し、機体を修理のために地上待機させる事態を引き起こしたという。

 アリゾナ州は、長年UFOとの関連が噂される秘密基地「エリア51」があるネバダ州と広大な軍事演習場を共有している。しかし、同時にメキシコとも国境を接しており、これが新たな「侵略」への懸念を生んでいる。

 トランプ大統領は、合衆国への「略奪的侵入」に対応するため、1798年の外国人敵対行為法を発動した。これは映画のような宇宙人襲来ではなく、安全や利益を求める人間の根源的な欲求、そして近年深刻化する越境麻薬密輸ドローンの問題を示唆している。

 国防総省の「先端航空宇宙脅威特定計画(AATIP)」の元責任者ルイス・エリゾンド氏は、「特にアリゾナ国境では多くの活動があり、多くの人々が多くのことを報告している」と語る。昨年11月には、ブルヘッドシティ上空で奇妙な光が目撃され、その映像がTikTokで拡散。オフロード車のヘッドライトとの関連が指摘されたものの、アリゾナ州の「宇宙人観光地」としての評判をさらに高める結果となった。

 1997年の「フェニックスの光」と呼ばれるV字型の編隊飛行や、2011年のスカイダイビングチームのフレア(照明弾)など、過去にもアリゾナ州では多くの謎の飛行現象が報告されてきたが、軍の説明に納得しない人々も少なくない。そして今、FAAの文書は、米空軍パイロット自身がアリゾナの不可解な目撃情報のコレクションに新たな事例を加えていることを示唆している。

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画像は「The Courier Mail」より

目撃情報の背景にある現実:麻薬カルテルのハイテクドローン

 近年、国境警備は強化され、メキシコの麻薬カルテルにとってアメリカへの違法薬物供給はますます困難になっている。そこで彼らが目を付けたのが、新世代の大型ドローンだ。かつては5~10kg程度の積載量の小型ドローンが押収される程度だったが、アマゾンのような企業が都市部での大型荷物配送のために開発した技術が麻薬取引にも応用され始めている。これにより、ドローンはこれまで以上に高く、遠くまで飛行することが可能になったのだ。

 つまり、アリゾナ上空で目撃される「UAP」の多くは、実は麻薬カルテルが操る高性能ドローンである可能性が高い。

なぜ人はUFOを信じるのか? トランプ政権のUFO調査と心理学的考察

 マンチェスター・メトロポリタン大学とリバプール・ジョン・ムーアズ大学の新しい研究は、人々が説明のつかない出来事を超常現象や地球外生命体の仕業と考えがちな傾向を調査している。「制御できない出来事に直面すると、私たちの心はパターンや説明を求める」と研究者たちは記す。

 トランプ政権は発足当初、UFO問題に断固として取り組むと主張。ホワイトハウスの報道官は、昨年アメリカ北東部で相次いだ奇妙な光について、宇宙人でもイランのドローンでもなく、「通常の航空機が通常のルートを通常の時間に飛行していただけ。人々が突然それに注意を払い始めたのだ」と説明した。

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Image by StockSnap from Pixabay

 さらにトランプ政権は、FBI内に存在した「未確認異常現象」を調査する秘密オフィスを閉鎖する動きを見せている。国防総省が奇妙な目撃情報を調査する「全領域異常解決局(AARO)」を運営していたことは公になっていたが、FBIがこのチームの存在を認めたのは、閉鎖を発表する直前だった。

 しかし、疑問は残る。テネシー州選出のティム・バーチェット下院議員(共和党)は、地球外生命体の乗り物が秘密の海底基地から活動していると議会で証言。「私はこれについて説明を受けていないが、私がまとめた情報によると、我々は秘密のソナーを持っており…(彼らは)何かが時速数百マイルで水中を移動していると教えてくれる…そしてこれはフットボール場ほどの大きさで水中にあり、これは記録されたケースで、提督が私にこのことを話してくれた」と述べている。

 心理学者たちは、人々が不安に対処するために超常現象や陰謀論を信じるのは自然な傾向だと指摘する。

 不法移民危機、国境の軍事化、そして世界的な攻撃性の高まりに直面した軍事訓練と実験の増加――これら全てがアリゾナ州に集中している。それが、空のあらゆる光が突然UFOやUAPに見えてしまう理由の一つかもしれない。

参考:The Courier Mail、ほか

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