世界初「ヒューマノイドロボット格闘大会」ロボットがリングでガチバトル!“ロボット格闘技”に観客熱狂

2025年5月、中国・杭州で世界初となる「ヒューマノイドロボットによるボクシング大会」が開催され、未来の格闘技の幕開けを感じさせる映像が話題を呼んでいる。人間とそっくりな姿をした2体のロボットがグローブとヘッドギアを装着し、リングでパンチとキックを繰り出し合うという異様な光景に観客も熱狂。だが、これは単なるショーではない。急速に進化を遂げるロボット産業の、ひとつの到達点でもある。
ロボットたちは「格闘ゲームのプレイヤー」だった
試合に登場したのは、中国・杭州のロボット企業「Unitree Robotics」が開発した2体の『G1』ロボット。それぞれ高さ約132cm、体重約35kgと、小柄な8歳児ほどのサイズだ。動きはまだぎこちないものの、パンチやキックを正確に繰り出す姿は、確かに“格闘”の様相を呈していた。
ただし、これらの動きは完全な自律制御によるものではなく、開発者たちがリモートで操作していた。いわば人間がロボットを通じて戦っているようなもので、まるで現実世界での「ロボット対戦ゲーム」だ。それでも観客からは「かわいい」「クール」「歴史的瞬間だ」と称賛の声が上がった。
YouTubeでのライブ配信も行われ、コメント欄には「これが始まりにすぎない」「5年後には格段に進化しているはずだ」といった未来を予感させる声が並んだ。


Unitree Roboticsとは何者か?
G1を開発したUnitree Roboticsは、近年注目を集める中国のロボット企業であり、これまでもロボット犬「Go2」などで話題を集めてきた。G1は、価格が1万6000ドル(約230万円)と比較的手頃ながら、時速5kmで歩行可能で、3kgまでの荷物を運び、手を振ったり握手したりといった繊細な動作もこなせる。
今回の大会では、ストレートパンチ、フック、サイドキック、スピンキックなど、複数の動作を組み合わせた「人間らしい戦い」が披露された。さらに、転倒しても自力で立ち上がる機能も実装されており、まさに未来の格闘技者のような姿を見せた。
エンタメか、実験か?人間とAIの境界線
このロボットボクシング大会は、China Media Group主催の「世界ロボット大会」の一環として行われた。今後は12月に、深圳で“フルサイズのヒューマノイドロボットによる本格的な格闘大会”も予定されているという。
現時点ではあくまでリモート操作による「ショー」に過ぎないが、遠くない未来に完全自律型のロボット格闘技が登場することは十分にあり得る。もはやフィクションの世界ではなく、現実におけるAIと人間の協働、そして競争の象徴的な姿である。

「戦い」を演出するロボットたちは、未来の産業や軍事、さらにはエンタメの形すら変えていくかもしれない。これは単なる技術の進歩ではなく、「人間とは何か」を問う社会的実験なのかもしれないのだ。
まだ「おもちゃ」に見えるこのロボットたちも、わずか数年で驚異的な進化を遂げるだろう。格闘技という“人間の極限の表現”にロボットが介入する時代は、すでに始まっている。
次にリングに立つのは、人間か、ロボットか。それとも両者の融合体か――未来の戦場は、もはやSFの中にだけ存在するものではないようだ。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊世界初「ヒューマノイドロボット格闘大会」ロボットがリングでガチバトル!“ロボット格闘技”に観客熱狂のページです。格闘技、中国、ロボット、ボクシング、ヒューマノイドなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで