Googleマップに写ったサハラ砂漠の“謎の円盤”にUFOハンター大興奮 → 専門家が暴いた“拍子抜け”の真相

Googleマップは時として、我々の想像を超える奇妙な光景を映し出す。南極の謎の「ドア」からゴビ砂漠に隠された巨大なシンボルまで、世界中の不思議がそこには記録されている。そして今回、サハラ砂漠の奥深くで発見された「空飛ぶ円盤」も奇妙な発見の一つかもしれない。
一部のインターネット探偵たちは、これを「数千年前に墜落したUFOの残骸だ」と主張し、大きな話題を呼んでいる。
UFOハンターが唱える「古代宇宙船説」
この謎の物体が位置するのは、アルジェリアの小さな町ボルジ・オマール・イドリス近郊の砂漠地帯だ。この発見を世に知らしめたUFOハンターのスコット・ウェアリング氏は、「このUFOは人類の有史以前、おそらく数万年前からここにある」と真剣に語る。
彼はさらに、「CIAのような組織は、Googleマップ上でUFOが発見されるたびに、それが別の物であるかのように情報を操作し、大衆から真実を隠蔽しようとするだろう」と、陰謀論的な視点も付け加えた。
この主張はSNSで瞬く間に拡散され、「話の全貌が知りたい。墜落現場のように見える」「遺体は見つかったのだろうか…」といった興奮気味のコメントが相次いだ。中には、「Googleがこの画像を消す前に、みんなスクリーンショットを撮っておけ」と呼びかけるユーザーも現れる始末だ。
しかし、宇宙人の来訪を期待する人々には残念なことに、専門家たちはもっとシンプルな説明が可能だと指摘している。
冷静な専門家が指摘する「シンプルな答え」
かつて英国防衛省でUFO調査を担当していたニック・ポープ氏は、この画像について冷静な見方を示す。「まず、AI技術の進化により、画像が偽造や加工をされていないか確認するのはますます難しくなっている」と前置きしつつ、こう続けた。
「たとえこの写真が本物だとしても、画像一枚だけでは何も判断できない。最もシンプルな説明が正しいことが多いという『オッカムの剃刀』の原則に従えば、これは墜落した宇宙船というよりは、何らかの円形の建物か構造物である可能性の方が高いだろう」(ニック・ポープ氏)
彼の指摘通り、ネット上の調査によって、この謎の物体の正体はすぐに明らかになった。

円盤の正体は、風力発電の「土台」だった
結論から言うと、この「謎の円盤」は陸上風力タービンの建設途中の基礎部分である。
風力タービンを支える巨大なタワーは、まず地面に深く掘られた鉄筋コンクリートの土台の上に建てられる。この基礎部分が、円盤状の本体と中央のドームという、古典的な「空飛ぶ円盤」の形に見事にそっくりなのだ。
衛星写真で確認すると、この物体の南西に少し離れた場所には、すでにタワー部分の建設が始まっている別のタービンの基礎も映っている。これは、この一帯が風力発電所の建設現場であることを示す強力な証拠だ。
実際、アルジェリア政府は現在、再生可能エネルギーへの大規模な投資を進めており、2035年までに国内電力の27%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げている。もともと風力資源に恵まれたこの国では、砂漠の真ん中に古代のUFOが隠されているよりも、風力タービンが建設されている方が、はるかに現実的な話というわけだ。

「UFO騒動」が真の探求を妨げる皮肉
こうした根拠の薄いUFO騒動は、かえって真剣な地球外生命体の探求を妨げる、と専門家は嘆く。UFO研究者のフィリップ・マントル氏は次のように語る。
「UFOの目撃報告や写真、ビデオの大半は、最終的に合理的な説明がつく。残りのごく一部だけが、真剣な調査の対象となりうる。今回のような写真は真に受けるべきではなく、エルヴィスがまだ生きているといった類の話と同レベルのものだ」
ロマンあふれる「古代UFO説」は、風力タービンの基礎という、なんとも現実的な結論に落ち着いた。だが、Googleマップを開けば、世界のどこかでまた新たな謎が私たちを待っているのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊Googleマップに写ったサハラ砂漠の“謎の円盤”にUFOハンター大興奮 → 専門家が暴いた“拍子抜け”の真相のページです。サハラ砂漠、Googleマップ、風力発電などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで