SNSでバズる「緑のハト」に隠された残酷な真実とは… イギリスに現れた“謎の緑色のハト”に専門家が警鐘を鳴らす理由

イギリスのとある街に、まるでペンキを塗ったかのような鮮やかな緑色のハトが現れ、住民を困惑させると同時に、国中から見物人が訪れるほどの人気者になっている。しかし、その奇妙な見た目の裏には、深刻な問題が隠されているのかもしれない。
このハトがよく目撃されるのは、イングランド中東部に位置するノーサンプトンという街の教会周辺だ。にわかには信じがたいその姿は、あっという間にTikTokなどのSNSで拡散。「一体なぜ緑色なのか?」という謎をめぐって、ネット上では大きな話題となっている。
地元住民によると、このハトはすっかり街の名物になっており、ロンドンなど遠方からわざわざ見に来る人もいるというから驚きだ。「ノーサンプトンがハトで観光名所になるなんて、なんだか面白い話だよね」と、ある住民は笑う。ポケモンGOのプレイ中にこのハトを発見したという別の住民は、「誰かが面白がって染めたか、結婚式か何かのイベントで使われたんじゃないかな。他のハトからいじめられている様子はないけど、捕食者には見つかりやすくなるだろうね」と心配そうに語った。
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その正体は?専門家が推測する「染められた」可能性
ネット上では「放射能を浴びたのでは?」「鳥界のハルクだ!」といった冗談も飛び交っているが、専門家はもっと現実的な見方をしている。
鳥類専門誌『Birdwatch Magazine』の編集者マイク・アリボーン氏は、「もともとは白いハトで、何者かによって人為的に緑色に染められた可能性が非常に高い」と指摘する。その目的は定かではないが、いくつかの可能性が考えられるという。
一つは、レース鳩の飼い主が自分のハトを識別するために染めるケース。また、最近の流行である「ジェンダーリビールパーティー(赤ちゃんの性別を発表するパーティー)」で、男の子なら青、女の子ならピンクに鳥を染めることがあるという。緑は珍しい色だが、こうしたイベントに関連している可能性は否定できない。
さらに、スペインなどで行われている「columbicultura」という、派手にペイントされた雄鳩たちが1羽の雌鳩を追いかけるという特殊な鳩レース(スポーツ)に関連している可能性も考えられるそうだ。いずれにせよ、自然に緑色になったとは考えにくいというのが専門家の一致した見解である。

「かわいい」の裏にある危険性、動物愛護団体が鳴らす警鐘
この緑色のハトは、他のハトたちと問題なくエサの奪い合いをしているように見える。しかし、英国動物虐待防止協会(RSPCA)は、この状況に強い懸念を示している。
RSPCAの広報担当者は、「鳥の羽を意図的に染める行為は、動物にとって非常に危険です」と警鐘を鳴らす。染料に含まれる化学物質は鳥にとって有毒であり、羽繕いの際に体内に取り込んでしまう恐れがある。また、染料によって羽の自然な防水性が損なわれたり、うまく飛べなくなったりすることもあるという。
そして何より深刻なのは、派手で不自然な色は、天敵の注意を不必要に引きつけてしまうことだ。「このハトは、次に羽が生え変わるまで、野生で生きる上で非常に高いリスクを背負うことになるでしょう」と担当者は語る。
SNSでの注目が、こうした無責任な行為を助長しているのではないかという懸念もある。珍しい姿が「面白い」「かわいい」と話題になる一方で、その裏には動物への危険が潜んでいることを忘れてはならない。結局のところ、このハトの鮮やかな緑色は人間社会の歪みを映し出しているのかもしれない。
参考:LADbible、ほか
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