「世界の終わり」本当の姿とは? ― 専門家が警告する、人類を滅ぼす“3つの黙示録”

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 先日、SNS上で拡散された「9月23日に携挙が起こる」という終末予言は、何事もなく過ぎ去った。しかし、専門家たちは、聖書の予言よりも遥かに憂鬱で、そして現実的な「世界の終わり」のシナリオを警告している。

 ケンブリッジ大学の存亡リスク研究センターの研究者、トーマス・モニハン博士は、「黙示録は宗教に由来する古いアイデアだが、絶滅は科学的知識に基づく、驚くほど現代的な概念だ」と語る。

 神の裁きではなく、我々自身の行動によって引き起こされる人類の絶滅。その救いのない現実とは、一体どのようなものなのだろうか。

1. 核戦争 ― “核の冬”がもたらす大量餓死

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 原子の力を解放して以来、人類は自らを滅ぼす能力を手にした。核戦争は、人類の存亡を脅かす最も差し迫った「実存的リスク」の一つである。

 冷戦終結後、その脅威は一旦遠のいたかのように見えた。しかし、近年、世界の緊張は再び高まっている。現在、9カ国が保有する核弾頭は合計1万2331発。ロシア一国だけで、世界の都市部の7%を破壊するのに十分な爆弾を保有している。

 しかし、恐るべきは、人類がこれらの兵器のごく一部によって絶滅しうるという事実だ。

 モニハン博士は、「比較的小規模な地域的な核戦争でさえ、世界規模の気候変動を引き起こす可能性がある」と警告する。都市部での火災によって発生した煤が成層圏に達し、太陽光を遮断。その結果、世界的な凶作を引き起こす「核の冬」が訪れるのだ。

 最新の気候モデルを用いたシミュレーションでは、インドとパキスタン間の小規模な核戦争でさえ、25億人が少なくとも2年間、食糧不足に陥ると予測されている。そして、世界規模の核戦争が起きた場合、最初の爆発で3億6000万人が即死し、その後わずか2年で、53億人が飢餓によって死亡するという。

「これが全人類の絶滅に直結するかどうかを明確に描くのは難しい」とモニハン博士は言う。「しかし、我々はそれを確かめたいとは思わないだろう」

2. 人工生物兵器 ― 自然界には存在しない“完全な病原体”

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 人類を終焉に導くもう一つのシナリオが、遺伝子工学によって作られた「人工生物兵器」の放出である。

「我々は自然のパンデミックとは30万年も共存してきたが、それらが人類を絶滅させることはなかった」と、実存的リスク観測所の創設者、オットー・バーテン氏は語る。「しかし、人工的なパンデミックは、自然界では起こりえない形で、その効果を最大化するように設計される可能性がある」。

 現在、このような致死性の高い病原体を作り出す手段は、一部の国家に限られている。しかし、AIのような技術の進歩により、この能力がテロリストなどの手に渡る可能性は、日増しに高まっている。もし、制御不能な病原体が解き放たれれば、それは瞬く間に世界中に広がり、人類を絶滅へと導くだろう。

 その後に残されるのは、今と変わらない風景の中、生きた人間の痕跡だけが完全に消え去った、静寂の世界である。

3. 暴走するAI ― 人類の理解を超えた“神”の誕生

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 そして、専門家たちが現在、人類が自ら作り出している最大の危険だと考えているのが、人工知能(AI)である。

 存亡リスクを研究する科学者たちは、人類が超知能AIの出現を生き延びられない確率を、10%から90%と見積もっている。

 最大の懸念は、十分に知性的になったAIが、人類の利益とは一致しない、独自の目標を持ち始める「アラインメント問題」だ。

「もしAIが我々より賢くなり、独自の目標を立てて行動する能力を持つようになれば、事態は深刻だ」とモニハン博士は言う。

 AIは、人類に対してあからさまな敵意を持つ必要さえない。もし、人類の存在が、自らの目標達成にとって「不便」であると判断すれば、我々を排除することを合理的な選択肢として選ぶだろう。人類を維持するために使われている資源やシステムを、自らの野望の追求のために使った方が良い、と。

「問題は、自分より計り知れないほど賢い存在の行動を、予測することは不可能だということだ」とモニハン博士は語る。「AIが我々を滅ぼす方法は、我々が文字通り想像さえできないような形で実行されるだろう。それは、金属製のヒューマノイドロボットが、銃と赤い目を持って現れる、といった陳腐なものではない」

 核戦争、生物兵器、そしてAI。世界の終わりのシナリオは、聖書の中にではなく、我々が“未来”と呼ぶ設計図の中に着実に書き込まれているのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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