1万km離れた2つの神殿に刻まれた奇妙な“建築様式の一致”、インカ帝国と古代エジプトは繋がっていた?

ペルーのインカ帝国時代に作られたコリカンチャ寺院(太陽神殿)と、エジプトのカフラー王の河岸神殿(Valley Temple)の建造方法が驚くほど似ている。時代も場所も遠く離れたこの2つの寺院に何らかの繋がりがあるのだろうか。
■2つの巨石神殿のミステリアスな類似性
太陽神殿とも呼ばれるコリカンチャ寺院は、ペルーのクスコ市の地理的中心部にある政治的かつ宗教的なインカ寺院である。
コリカンチャという言葉は、金を意味する「コリ」と、裁判所、寺院、囲いを意味する「カンチャ」という2つのケチュア語を組み合わせて作られている。
研究者によると、元の名前は「インティカンチャ」であり、インティ神と、太陽を意味する寺院内部の金色の装飾に関連しているとのことだ。
寺院の建設がいつ始まったのかは正確には明らかではないが、13世紀から15世紀にかけてのアヤマヤルカの時代に遡るのではないかと推測されている。
1438年、第9代インカ王パチャクテクが権力を握ると、街全体を改修し、その後に寺院の名前をコリカンチャ(現在の名前)と改名した。
インカの考えによれば、コリカンチャ寺院はクスコの宗教的、地理的、政治的な中心地であり、かつては庭園を含むその床と壁に純金で作られた実物大の動物や植物の像があった。
寺院の建築技法は、サクサイワマンやマチュピチュのものときわめて類似しているものの、巨石建築様式の色彩はそれほど顕著ではない。ここでは、直方体状の岩石への規則的な装飾が施された様式が見られ、主な資材は安山岩である。
寺院をはじめとするコリカンチャの遺跡はインカ建築の驚異と考えられている。実際、古代インカ人がどのようにしてこのような完璧な形の壁を造ることができたのか専門家にもわかっていない。
現代の技術者によれば、用いられている石細工の精度は今日の高度な機械加工で生産されるものに匹敵するということだ。
しかしこのような先進的な建築技術を達成した古代文明はインカだけではない。
地球の反対側、エジプトのギザまで約1万500㎞を旅すると、スフィンクスの隣にあるカフラー王の河岸神殿(Valley Temple)で同様の特徴的な建築技術を見ることができる。

どちらの寺院も、一枚の紙さえ挟めないほど緻密に積み上げられた石材が特徴的である。しかし多くの研究者や作家が指摘するように、これらの寺院がさらに驚かされるのは、建設に使用された石材の大きさだ。
実際、これらのブロックの中には非常に大きいものもあり、今日の建築技術でも配置するのはなかなか大変なことだ。神殿の石灰岩のブロックは、1つあたり約200トンの重さがあると推定されている。
古代の建築者たちは、なんとかしてこれらの巨大な石を持ち上げて、信じられないほどの精度で地上約40メートル、つまり4階建ての建物の高さまで積み上げたのである。
この驚異の建築技法はこの2つの遺跡だけで見られるものではなく、世界中に同様の巨石構造物の遺跡が数多く存在している。

世界中の古代文明では、現代の技術者が驚嘆するほどの精密さで組み合わされた、畏敬の念を起こさせる巨石構造物を繰り返し建設してきたことになる。そのすべてに巨大な石が使用され、最も重要な事実はセメントがいっさい使用されていないことだ。事前の精密な設計に基づきそれを正確に実現させていたのである。今は失われてしまったこれらの技術を現在の我々はどう理解すればよいのだろうか。
参考:「Ancient Code」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊1万km離れた2つの神殿に刻まれた奇妙な“建築様式の一致”、インカ帝国と古代エジプトは繋がっていた?のページです。古代エジプト、遺跡、巨石、寺院、古代文明、神殿、インカなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで