「無数の小さな発光体に囲まれている」― 宇宙の英雄ジョン・グレンが遭遇した“光の大群”の正体とは

「こちらフレンドシップ7…信じられない。私は今、無数の小さな発光体に囲まれている。まるで星のシャワーだ…」
これは、1962年2月20日、アメリカ人として初めて地球周回軌道飛行を成し遂げた英雄、ジョン・グレン宇宙飛行士が、宇宙の暗闇から地上へ送った戦慄のメッセージだ。彼の宇宙船を取り囲んだ「謎の発行体の大群」。長らく謎とされてきたこの遭遇に関する生々しい交信記録が、今、改めて注目を集めている。
「こちらフレンドシップ7…信じられない光景だ」―宇宙の英雄が見た“蛍”
1962年、米ソ冷戦のさなか、アメリカ初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」は国家の威信をかけたプロジェクトだった。そのハイライトとなる地球周回飛行のパイロットに選ばれたのが、ジョン・グレンだった。彼の乗る宇宙船「フレンドシップ7」が3周の軌道飛行を行っていた、まさにその時、事件は起きた。

夜明けの光が宇宙船を照らし始めた瞬間、グレンは信じがたい光景を目の当たりにする。彼の目の前に、無数の光る粒子が出現し、宇宙船を取り囲み始めたのだ。それは、彼が「宇宙の蛍」とも表現した、神秘的で、同時に不気味な光景だった。公開された交信記録には、彼の興奮と困惑が克明に記録されている。
ジョン・グレン: 「こちらフレンドシップ7。…説明を試みる。私は今、非常に小さな粒子でできた巨大な塊の中にいる。それらはまるで自ら発光しているかのように、鮮やかに光っている。こんなものは見たことがない。少し丸みを帯びていて、カプセルのそばを通り過ぎていく…まるで小さな星のようだ。星のシャワーが降り注いでいる」
ジョン・グレン: 「それらはカプセルの周りを渦巻くように動き、窓の前を通り過ぎていく。すべてが鮮やかに光っているんだ。平均して7~8フィート(約2.5メートル)ほど離れているだろうか。眼下にも無数に見える」
地上管制官(CAPCOM): 「フレンドシップ7、了解。カプセルへの衝突音は聞こえるか?どうぞ」
ジョン・グレン: 「いや、聞こえない。動きは非常にゆっくりだ。私から時速3~4マイル(約5~6km)以上離れていくことはない。ほぼ私と同じ速度で移動している。…文字通り、何千という数だ」
地上管制の不可解な対応と、NASAの公式見解
グレンの必死の報告に対し、地上管制官の反応はどこか奇妙だった。彼の報告の途中で通信が途絶えがちになり、約5分後には「君の声は少し不明瞭に聞こえる。酸素レベルは正常か?」と、まるでグレンの精神状態を疑うかのような質問を投げかける。光の粒子の大群そのものについては深く追及せず、宇宙船から放出されたものではないかと示唆するだけだった。
ミッション成功後、NASAはこの不可解な現象について公式見解を発表した。それは、「宇宙船の外壁に付着していた氷の小さな粒子が、船体が動くたびに剥がれ落ち、太陽の光を浴びて輝いて見えたものだ」という、極めて現実的な説明だった。

それでも英雄は納得しなかった―宇宙史の謎
しかし、当のジョン・グレンはこの説明に納得していなかった。なぜなら彼は、2周目の軌道上でも、再び「何マイルにもわたって」広がる同じ光の粒子を目撃していたからだ。もしそれが船体から剥がれた氷なら、一度きりの現象のはずである。
さらに、この謎を深める証言がある。グレンに続いて宇宙へ飛び立ったスコット・カーペンター宇宙飛行士も、彼の宇宙船「オーロラ7」から、全く同じ「宇宙の蛍」を目撃していたのだ。
果たして、アメリカの英雄たちが見たものは、本当にただの氷の粒だったのだろうか。それとも、宇宙の深淵からの未知の訪問者だったのか。科学的な説明と、当事者である宇宙飛行士たちの証言との間に横たわる深い溝。ジョン・グレンの謎の光との遭遇は、60年以上が経過した今もなお、宇宙史最大のミステリーの一つとして、私たちの好奇心をかき立て続けている。
参考:The Ancient Code、ほか
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