メガロドンか、クトゥルフか? 深海を揺るがした怪音「ブループ」の正体がついに判明

かつて科学者たちを震撼させた、フロリダ沖で観測された謎の深海音、通称「ブループ(Bloop)」。そのあまりにも巨大で異様な音は、未知の巨大生物、例えば絶滅したはずのメガロドンや、H.P.ラヴクラフトの神話に登場する怪物クトゥルフではないかという憶測を呼び、世界中のミステリーファンの想像力をかき立ててきた。
しかし、長年の調査の末に判明したその正体は、多くの人々が期待したようなロマン溢れるものではなかったようだ。
「生物の声」説が有力視された理由
当初、多くの科学者が「ブループ」を何らかの生き物が発した声だと考えていた。その音のパターンがクジラの鳴き声に似ていたからだ。しかし、問題はその音量だった。既知のどんな海洋生物の声をはるかに凌駕する大きさだったため、「我々が知らない超巨大生物が深海に潜んでいるに違いない」という仮説が真実味を帯びて語られることとなった。
インターネット上では、「未発見の海獣だ」「いや、古代の怪物が目覚めたのだ」といった議論が白熱し、深海へのロマンと恐怖が入り混じった一大トピックとなっていた。

音の正体は「氷」だった
この謎に終止符を打ったのは、アメリカ海洋大気庁(NOAA)だ。彼らは海底火山や地震の音を調査するためにハイドロフォン(水中マイク)を南極近くに配備し、継続的な観測を行っていた。そして2005年、ついに「ブループ」の発生源を特定することに成功したのである。
その正体は、なんと氷震(アイスクエイク)だった。巨大な氷山が南極の氷河から割れて海に崩れ落ちる際に発生する音が、数千キロ離れた場所まで届いていたのだ。NOAAは「地球温暖化の影響で氷河の崩壊が増え、こうした氷震も頻発している」と説明している。

ネット上には失望の声も
この科学的な結論に対し、ネット上では落胆の声も上がっている。あるRedditユーザーは「冗談だろ。深海で未知の巨大生物が見つかるのを期待していたのに」と書き込んだ。また、「あれほど専門家が『生物的だ』と言っていたのに、なぜ氷の割れる音だとわかるまでこんなに時間がかかったんだ?」と、依然として懐疑的な見方をする人もいる。
深海の巨大怪獣という夢は儚くも消え去ったが、自然界が生み出す音がこれほどまでに巨大で、生物の声と聞き間違えるほどのものであるという事実は、ある意味でモンスター以上に驚異的と言えるかもしれない。
今回は氷の音だったとしても、深海の闇の奥底には、私たちが想像もつかない何かがまだ眠っていると信じたいものだ。
参考:Daily Star、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊メガロドンか、クトゥルフか? 深海を揺るがした怪音「ブループ」の正体がついに判明のページです。氷河、怪音、クトゥルフ神話、メガロドンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

