西暦3000年、人類は“水中”に住み、“胸が3つ”ある? 20年前のヒット曲が予言した未来を科学者たちが大真面目に考察

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「西暦3000年、人類は水中に住んでいる。胸が3つある女性が裸で泳ぎ回っている」。2003年に英国で大ヒットした、ボーイズバンドBusted(バステッド)の楽曲『Year 3000』。タイムマシンで未来へ旅した少年たちの冒険を歌ったこのキャッチーな曲は、当時多くの若者を熱狂させた。しかし、今、この突飛な“未来予言”を、英国の科学者たちが大真面目に考察し、波紋を呼んでいる。果たして、975年後の未来は、本当にこんな奇妙な世界になっているのだろうか。

専門家たちの“未来予測”―水中都市は「ありえる」、3つの胸は「ありえない」


◆オックスフォード・ブルックス大学 サイモン・アンダーダウン教授(生物人類学)

水中都市: 「地球温暖化で海面が上昇し続ければ、人類が海中に居住空間を建設することは、全くありえない話ではない」
3つの胸: 「女性が3つ目の胸を発達させるような、進化学的な要因は考えられない。Bustedの科学的信憑性には疑問を呈する」
未来の人類像: 「バイオチップを体に埋め込み、インターネットと融合した拡張現実を生きる、“テクノロジーと生物学的に強化された人類”になっているだろう」

◆ケンブリッジ大学 S・J・ビアード教授(哲学者)

3つの胸: 「もし、人類が強力な放射線や、遺伝子を改変する病原体に晒されたなら、可能性はあるかもしれない。そして、その場合、有害な大気から身を守るために水中に住むことの説明もつく」

人類の不在: 「あるいは、西暦3000年には、もはや“人間”は存在しないかもしれない。人類が『すべての人を幸せにせよ』といった命令を与えた超知能AIが、そのタスクの不可能性を悟り、代わりに“幸せな人工人間”を創造して、我々に取って代わっている、という『マトリックス』のようなシナリオだ」

800歳の玄孫: 「歌詞に出てくる『玄孫(great-great-great-granddaughter)』が西暦3000年にまだ生きているということは、彼女は800歳くらいになっているはずだ。驚異的な延命技術が発明されているに違いない」

産業革命以前への“回帰”か、それとも“退屈なユートピア”か


◆ベイズ・ビジネス・スクール トーマス・ロビンソン博士(社会学者)

 ロビンソン博士は、よりディストピア的な未来を予測する。彼によれば、過去250年間の産業革命と化石燃料による繁栄は、人類の長い歴史から見れば「例外」にすぎない。資源が枯渇した未来では、多くの人々が「過去の社会の残骸の中で、よりシンプルな生活を送る」ことになると言う。「錆びついた送電鉄塔の下の村」「高速道路の廃墟のそばにある馬の放牧場」といった、退廃的な光景が広がるかもしれない。

◆バース大学 ニック・ロングリッチ上級講師(古生物学者)

 一方で、ロングリッチ氏は、極めて楽観的な未来を描く。彼は、人類が進化の過程で、より協力的で、攻撃性の低い種へと変化してきた歴史を指摘。「未来の世界は、より豊かで、安全で、繁栄しているだろう。我々は、欠乏ではなく、豊かさゆえの問題に悩むことになる。それは、ある種のディストピアかもしれない。タイムマシンで未来へ行ったら、そこは素晴らしく、快適で、そして“退屈”な世界だった、というような」

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「何も変わらない」ことこそが、最大の恐怖

 1000年前、イングランドはデンマーク王の支配下にあり、ほとんどの人々は農民だった。当時の王が、現代の世界を正確に予測することなど不可能だっただろう。975年という時間は、我々の社会を想像もつかない形に変える。

 ケンブリッジ大学のビアード教授は、Bustedの歌詞の中で、最も恐ろしい一節は「not much has changed(たいして変わっちゃいない)」だと指摘する。「社会が停滞している時、それは、その社会が危険なほど脆弱になっているか、あるいは何者かによって変化を強制的に止められていることを意味するのだから」

 この視点は、日本にも当てはまるのではないだろうか。たとえば、平安時代の貴族社会を想像してみてほしい。1000年前の京都では、人々が和歌を詠み、権力者が政治と儀式を独占していた。その構造の一部は、いまもなお形を変えて残っている。権威や序列、集団の調和を重んじる文化は、技術がどれほど進歩しても根底ではあまり変わらないのかもしれない。

 水中都市、3つの胸、そしてAIによる支配…。975年後の未来がどうなっているのか、本当のところは誰にもわからない。しかし、一つだけ確かなことがある。それは、我々の未来が変化を恐れず、より良い社会を目指して革新を続けることができるかどうかにかかっているということだ。Bustedが歌った陽気な未来像は、そんな深遠な問いを投げかけているのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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