未来を言い当てたSF小説10選!スマホもクレジットカードも原子爆弾も… 驚異の先見性

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 SF小説は、単なる空想の物語ではない。時にそれは、驚くほど正確に未来を映し出す役割を果たしてきた。『1984年』や『すばらしい新世界』といった有名な作品だけでなく、あまり知られていない物語の中にも、現代の私たちの日常を的確に予言したものが数多く存在する。

 この記事では、クレジットカードからスマートフォンに至るまで、今や当たり前となった未来技術を何十年、時には何百年も前に見事に描き出した、恐るべき先見性を持つ10のSF小説を紹介しよう。

世紀を超えた驚きの予言 – 火星の衛星からクレジットカードまで

ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』(1735年)- 火星の2つの衛星

 文学史上、最も不可解な予言の一つがこれだ。スウィフトは『ガリヴァー旅行記』の中で、火星には2つの小さな衛星があると記述した。驚くべきことに、天文学者が実際に火星の衛星フォボスとダイモスを発見したのは、その140年以上も後の1877年のことである。当時、スウィフトがそれを知る科学的根拠は一切なく、この的中は「奇跡的な偶然」として語り継がれている。

エドワード・ベラミー『顧みれば』(1888年)- クレジットカード

 プラスチックのカードで買い物をするなど誰も想像しなかった時代に、ベラミーは現金を使わない未来社会を描いた。作中で「クレジットカード」と名付けられたそのカードは、個人の口座から自動的に代金が引き落とされる仕組みで、まさに現代のデビットカードそのもの。これが現実の技術として登場する約70年も前のことだった。

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H・G・ウェルズの驚異的な先見性

『眠れる人が目覚める時』(1899年)- 自動ドア

「SFの父」とも呼ばれるH・G・ウェルズは、数々の未来を予言してきた。人が近づくだけで自動的に開くドア。今では当たり前のこの光景を、ウェルズは19世紀の終わりに描いていた。203年間の眠りから覚めた男が目にする未来の技術の一つとして登場するこの「自動ドア」は、20世紀半ばに普及するまで、SFの中だけの存在だった。

『陸の甲鉄艦』(1903年)- 戦車

 第一次世界大戦で本物の戦車が戦場に登場する10年以上も前に、彼はこの短編で、悪路をものともせず敵の砲火を弾く、装甲された自走式の巨大な戦闘車両を描写した。その姿は、後の戦車の登場を驚くほど正確に予見していた。

『解放された世界』(1914年)- 原子爆弾

 ウェルズの予言の中でも最も身の毛がよだつのが、原子爆弾の登場だ。彼はこの小説で「atomic bombs(原子爆弾)」という言葉を使い、その破壊力だけでなく、爆発後に残る危険な放射能についても言及した。後に核連鎖反応の概念を考案した物理学者レオ・シラードは、この小説から着想を得たと公言している。

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20世紀初頭に描かれた現代社会の原風景

ロケヤ・サカーワット・ホセイン『サルタナの夢』(1905年)- 太陽光発電

 ベンガル人作家によるこの先駆的なユートピア小説は、女性たちが科学技術を駆使して平和な社会を運営する「レディランド」を描いている。そこで使われる技術の一つが、太陽のエネルギーを集めて調理をしたり、空飛ぶ車を動かしたりする太陽光発電だ。実用的な太陽電池が開発される数十年も前に、クリーンエネルギーの可能性を予見していた。

E・M・フォースター『機械はとまる』(1909年)- ビデオ会議

 人々が自室に引きこもり、顔を合わせることなくスクリーン越しにコミュニケーションを取る…。E・M・フォースターが100年以上前に描いたこの世界は、現代のビデオ会議(Zoom)やスクリーンに依存した私たちの生活を不気味なほど正確に描き出している。テレビすら発明されていなかった時代に、これほど的確な未来像を提示した洞察力には脱帽するしかない。

ヒューゴー・ガーンズバック『ラルフ124C 41+』(1911年)- レーダー

 この小説で、ガーンズバックは電波を使って遠くの物体を探知する技術を描いた。これは、第二次世界大戦中に発明されるレーダーの原理そのものである。彼の技術的予見の功績は非常に大きく、現在SF界で最も権威のある賞は、彼の名を冠して「ヒューゴー賞」と呼ばれている。

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手のひらの未来 – 検索エンジンとスマートフォンの誕生

ウィリアム・モリスン『ザ・サック』(1950年)- Google(検索エンジン)

 どんな質問にも即座に正しい答えをくれる、全人類の知識が詰まった存在。ウィリアム・モリスンの短編に登場する「ザ・サック」は、まさに現代のGoogleや検索エンジンそのものだ。インターネットもパソコンも存在しなかった1950年に、世界の知識に瞬時にアクセスできるというコンセプトを思いついた想像力は驚異的である。

フレデリック・ポール『プッシーフットの時代』(1965年)- スマートフォン

 今日のスマートフォンの機能をほぼ完璧に予言したのが、この小説に登場する「ジョイメーカー」というデバイスだ。電話、情報検索、買い物、健康管理、家の環境制御までこなすこの携帯端末は、iPhoneが登場する数十年も前に、私たちの生活に不可欠なオールインワンツールとなる未来を正確に描き切っていた。

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これらの物語は、単なる空想の産物ではなかった。作家たちの鋭い洞察力と豊かな想像力は、未来の技術の青写真となり、現実の世界を形作る一助となったのである。私たちが当たり前に手にしているテクノロジーは、かつて誰かが夢見た物語の中にその起源を持っているのかもしれない。

参考:Ranker、ほか

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