ボイジャーの「ゴールデンレコード」に隠された秘密。エイリアンに“製造された時間”を正確に伝える驚きの仕掛けとは?

時間は相対的なものだ。山頂では平地よりも早く流れ、高速で移動すればゆっくりになる。しかし、私たちが日常的に使う時間の尺度は、地球の自転や公転に基づいた非常にローカルなものだ。例えば「2026年1月1日午前11時」と言っても、地球外の知的生命体には何の意味も持たない。もしエイリアンが私たちのメッセージを受け取ったとき、それが「いつ」作られたものなのか、どうすれば伝えられるだろうか?
NASAの無人探査機ボイジャーに搭載された「ゴールデンレコード」の制作チームは、この難問に対して巧妙な答えを用意していた。ボイジャー1号と2号は、太陽系を離れて星間空間を旅し続けている。それぞれの機体には、地球の音や画像を収めた金色のレコードが積まれているが、そこには「いつ作られたか」を伝えるための秘密の時計が隠されているのだ。

パルサー地図とウラン238の半減期
レコードのカバーには、地球の位置を示すためにパルサー(規則的な電波を発する天体)の地図が描かれている。パルサーは宇宙の灯台のような役割を果たすが、長い年月とともにその位置や周期は変化してしまうため、完全な住所とは言えない。
そこで制作チームが採用したのが、放射性同位体ウラン238を使った年代測定の仕組みだ。ゴールデンレコードのカバーはアルミニウム製だが、その表面には超高純度のウラン238のサンプルが電気メッキされている。
ウラン238の半減期は約44億6000万年だ。つまり、約45億年後には、元のサンプルの半分だけが残ることになる。もし未来のエイリアンがこのレコードを発見した場合、残存するウランの量を測定することで、レコードが製造されてからどれくらいの時間が経過したのかを正確に計算できるのだ。たとえそれが数十億年後の未来であっても。

遥かなる時空を超えたメッセージ
ボイジャー1号と2号は、現在、地球から光の速さでも到達するのに1日近くかかる距離にいる。人類が作った物体としては最も遠くにあるが、銀河系スケールで見ればまだほんの入り口に過ぎない。他の文明がこれを発見する確率は極めて低いかもしれないが、もし見つけられたなら、彼らは地球の音を聞き、私たちの姿を見て、そしてこのレコードが遥か昔に作られたものであることを知るかもしれない。
当時のジミー・カーター大統領のメッセージにはこうある。「これは小さな遠い世界からのプレゼントです。私たちの音、科学、画像、音楽、考え、そして感情の証です。私たちは自分たちの時代を生き抜き、あなた方の時代まで生き延びようとしています」
ゴールデンレコードは、未知の誰かへの手紙であると同時に、私たち人類自身の鏡でもある。

レコードにはこう刻まれている。「音楽の作り手へ——すべての世界、すべての時代に捧ぐ」。
この小さな金色の円盤は、広大な宇宙の孤独を旅する人類のタイムカプセルだ。いつか誰かがそれを手に取り、私たちの存在に思いを馳せる日が来るのだろうか。
参考:IFLScience、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊ボイジャーの「ゴールデンレコード」に隠された秘密。エイリアンに“製造された時間”を正確に伝える驚きの仕掛けとは?のページです。ウラン、ゴールデンレコード、ボイジャーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで