「あなたは死んでますか?」不穏な“生存確認アプリ”が中国で大ヒット。わずか180円で買う“孤独死”への保険

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 同棲する恋人もいなければ結婚する予定もなく、ましてやシェアハウスに住む気もない中国の一人暮らしの働く若者の間で静かに普及が進んでいるアプリがあるという――。それは一定の間隔で「あなたは死んでますか?」と問いかけてくれる“生存確認アプリ”である。

■中国で“生存確認アプリ”の利用が急増

“生存確認アプリ”である「Are You Dead?」は昨年5月にひっそりとリリースされたが、最近は若者の間でダウンロードが急増しており、その多くは孤独死を懸念しているということだ。

「Are You Dead?」アプリでユーザーがしなければならないのは、数日おきに巨大な緑色のボタンを押すことだけだ。

 ボタンが押されなかった場合、ユーザーが設定した緊急連絡先に連絡が入り、ユーザーが深刻な状態にある可能性が伝えられる。当初はあまりにもばかげているように思われ、昨年5月にリリースされたときにはほとんど注目を集めていなかった。

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 しかし、ここ数週間、中国の都市部で一人暮らしをしている多くの若者が、この不穏なアプリをダウンロードしているのだ。

 わずか8元(約180円)のこのアプリは中国で最もダウンロードされたアプリとなっている。ダウンロード数の急増は、劇的な社会変化を背景に起きている現象であるという。

 専門家はこの現象は現在の中国社会を如実に反映していると指摘する。中国の英字メディア「Global Times」の調査によると、2030年までに中国の単身世帯は最大2億世帯に達する可能性があるということだ。

 何百万人もの人々が、一人で暮らし、働き、食事をし、何か問題が起きたらどうなるのかと静かに不安を抱えていることを反映しており、このアプリは「一人で仕事をするオフィスワーカー、家を離れて暮らす学生、あるいは一人暮らしを選ぶすべての人にとって、安心のパートナー」と謳っている。

 あるユーザーは「一人暮らしの者は、誰にも助けを呼べず、誰にも気づかれずに死んでしまうかもしれないという不安があります。もし私が一人で死んだら、誰が遺体を引き取ってくれるんだろう、と時々思うんです」と率直に不安を語る。

 河南省鄭州市出身の、1995年以降に生まれたとされる謎の開発者3人からなる小規模チームによって開発されたこのアプリは、開発費はわずか1000元(約1万1000円)で、当初は無料でダウンロードできたと伝えられている。英「BBC」の報道によると、創設者の一人であるカク氏は、会社の株式10%を100万元(約2260万円)で売却する予定だという。

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画像は「pixabay」より

 北京へ単身赴任して働き週に2回、妻と子のいる自宅に帰るウィルソン・ホウさん(38歳)は、家族から約100㎞離れた場所に住んでいるのだが「もし自分に何かあったら、借りている家で誰にも知られずに一人ぼっちで死んでしまうかもしれないと心配なんです。だからアプリをダウンロードして、母を緊急連絡先に設定しました」とこのアプリを使う理由を語る。

 この陰鬱なアプリを開発した「ムーンスケープ・テクノロジーズ」は、その陰鬱さについて苦情が寄せられていることから、名前の変更を検討していると発表し、一部のユーザーは「大丈夫ですか?」や「お元気ですか?」がいいのではないかと提案しているという。

 確かに単身世帯にとって孤独死は無視できないシリアスな問題であることは間違いない。必ずしもアプリを使わなくてもよいと思うが、一人暮らしの人々は“生存確認”のチャンネルをいくつが確保しておくべきなのだろう。

参考:「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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